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【全文】「中国海警局の船が領海侵入 誠に遺憾 松野官房長官(12/26午前)

2022年12月26日 16:10
【全文】「中国海警局の船が領海侵入 誠に遺憾 松野官房長官(12/26午前)

松野官房長官は、26日午前の会見で、中国海警局の船が過去最長の時間、日本の領海に侵入したことについて「誠に遺憾であり、受け入れられるものではない」と述べました。

<会見トピックス>
▽秋葉復興大臣について
▽特定秘密が漏えい
▽中国海警局の動向
▽萩生田政調会長の発言
▽岸田総理のキーウ訪問報道について
▽北海道内での停電
▽中国で新型コロナウイルスの感染急拡大
▽宮崎県知事選

〇松野官房長官
冒頭発言はございません。

――秋葉復興大臣について伺います。先の臨時国会で政治資金をめぐる問題などが相次いで明らかになりました。どんな対応を求めるか改めてお聞きします。
また、政府や党内では秋葉大臣の年内の交代論も強まっていますが、見解を伺います。

〇松野官房長官
政治資金に関して指摘されている事項については、秋葉大臣より説明を行ってきているところであり、引き続き政治家としての責任において適切に説明することが重要であると考えています。
閣僚の任命は総理の専権事項であり、私はお答えする立場にありません。

――海上自衛隊男性1等海佐が特定秘密保護法で定められた特定秘密を元海自OBに漏らしていった疑いがあるものに関し、漏えいの事実や経緯に関し、これまで政府が把握している事実関係や、今後の関係者の処分や再発防止について伺う。

〇松野官房長官
ご質問の件につきましては、防衛省において調査が進められており、 本日午後、捜査結果を公表する予定と承知をしております。詳細については、防衛省にお尋ねをいただきたいと思います。

――中国海警局の動向について伺う。今月22日から沖縄県尖閣諸島の沖合で日本の領海に侵入していた中国海警局の船2隻が22日午前いずれも領海を出た。今回の領海侵入は72時間余りに続き2012年に政府が尖閣諸島を国有化して以降、最も長くなりました。政府としての受け止めとどのような対応をとったのか伺う。

〇松野官房長官
今月22日から中国海警局に所属する船舶が順次尖閣諸島周辺の我が国領海に侵入し、当該海域において航行していた日本漁船に近づこうとする動きを見せその後25日までに順次領海から退去しました。その結果、22日から25日にかけての領海侵入時間は、72時間45分にわたり、過去最長となりました。中国海警局に所属する船舶が尖閣諸島周辺の我が国領海に侵入し、当該侵入が72時間45分にわたって、継続したことは誠に遺憾であり、受け入れられるものではありません。本年の同海域における中国海警局に所属する船舶による領海侵入は本日現在で28件であり、同海域の接続水域内において海上保安庁の巡視船が中国海警局に所属する船舶の航行を確認した日数は計331日であります。政府としては、こうした尖閣諸島周辺での領海侵入や接続水域内での航行といった活動が相次いでいることは極めて深刻に考えています。中国側に対しては現場海域において海上保安庁の巡視船による、領海からの退去要求や進路規制等を実施するとともに外交ルートを通じ、厳重に抗議し速やかに我が国領海から退去するよう強く求めてきています。引き続き緊張感を持って、尖閣諸島周辺の警戒監視に万全を尽くすとともに中国側に対しては冷静かつ毅然と対応していく考えであります。

――萩生田政調会長の発言について伺います。萩生田政調会長は昨日のテレビ番組で防衛費増額に伴う増税の明確な方向性が出た場合には衆院を解散し国民の信を問うべきだとの考えを示されました。総理の専権事項である解散権への言及ということで異例だと思われますけれども、政府としてもこうした認識をお持ちなのか、ご見解をお願いします。

〇松野官房長官
ご指摘の発言については承知していますが、解散権は総理の専権事項であり、私の立場でコメントすることは差し控えます。いずれにせよ、防衛力強化の内容、予算、財源の三つを本年末に一体的に決め、国民に明確にお示しをするという方針は春の通常国会の時から一貫して申し上げてきたところであると、総理が述べられているものと承知をしています。

――岸田総理が6月にドイツで開かれたG7サミットに合わせてウクライナの首都キーウを訪問し、ゼレンスキー大統領との会談を検討していたという一部報道があります。事実関係とその後もキーウ訪問を模索されているのでしょうか、お伺いします。

〇松野官房長官
ご指摘のような事実はございません。

――北海道内で相次いだ停電の関連で伺います。暴風雪で23、24日に停電に見舞われた北海道の紋別市や興部町などは25日も送電線が倒木で切れたことなどによって停電が続き、市民生活に大きな影響を与えました。年末年始には全国で荒天が予想されますが、予想しにくい自然災害による停電の対策に政府としてどう取り組むでしょうか。自助努力に限界がある中、豪雪地帯の支援をどう考えるか伺う。

〇松野官房長官
悪天候による鉄塔の倒壊や送電線の断線により、先週末から紋別市周辺では大規模な停電が発生しました。北海道電力による復旧作業が進捗し、本日午前10時現在では北海道における停電は約10戸と聞いています。政府としては豪雪地帯を含む風雪による停電対策のため、気象予報等を踏まえ、事前の段階から関係省庁や自治体、電力・燃料関係業界等と緊密に連携しライフラインの早期復旧や物資の供給確保に必要な対応体制を構築して対応しています。今般の大雪による停電対応では、電力各社は全国で約2万8000人、電源車約800台態勢で早期復旧に全力で取り組むとともに、政府においても停電の多い地域に職員を派遣し関係者との連携を一層強化し、復旧の加速化や被災者支援にあたったところであります。年末年始の対応についても引き続き警戒監視を確保し、対応に万全を期す考えであります。

――新型コロナウイルスの感染急拡大が伝えられている中国で、今月だけで2億4000万人以上が新たに感染した可能性があると一部報じられておりまして、中でも北京市と四川省は5割以上に達しているとの指摘もあります。23日の会見で、中国に滞在の日本人1人が死亡したことを明らかにされましたけれども、その後そのようなことはないのかという点と、医療崩壊も言われている中で、在留邦人が望めばいつでも日本に帰国可能な状況にあるのか確認させてください。

〇松野官房長官
中国における新型コロナの感染状況については、政府として鋭意情報収集しており、在留邦人を含む市民生活や日系企業の活動、また、中国経済に与える影響について注視しています。
その中で、政府としては、在中国大使館および総領事館を通じて、在留邦人や日系企業と緊密に連絡を取り合い、実態の把握に取り組みつつ、個別の相談に応じるなど、在留邦人支援に尽力しています。
政府として把握している限りにおいては、新型コロナ陽性が確方に邦人の方1名が死亡したことを19日に確認している以外に、新型コロナに関連した邦人死亡の事例の報告は受けていません。
また現在中国から日本への直行便は通常通り運航されていると承知していますが、在留邦人の方々の帰国支援のニーズがあれば、個別の相談に応じるなど、できる限り対応してまいりたいと考えています。

――中国との水際対策の強化の必要性について現在政府はいかがお考えか

〇松野官房長官
今後の水際対策については感染拡大防止と社会経済活動のバランスを取りつつ、内外の感染状況やニーズ、主要国の水際措置の状況等を踏まえながら適切に判断していくこととしています。
なお今後新たにWHOで懸念すべき変異株として指定されるような事態が発生する場合には、当然のことながら、これに機動的に対処していく考えであります。

――宮崎県知事選について伺う。昨日投開票され、自民県連や公明、立憲県連など与野党の相乗り候補だった現職の河野氏が四選を果たしました。前知事の東国原氏が終盤に猛追しましたが、今回の知事選の受け止めと、国政に与える影響について伺います。

〇松野官房長官
地方自治体の選挙に関することであり、政府としてのコメントは差し控えたいと思います。その上で、一般論で申し上げれば、地域経済の発展、住民生活の向上など、それぞれの候補者がこれまでの実績や今後の取り組みを訴え、それに対して地元の皆さんが判断されるものと承知しています。