政治責任どう果たす…自民党の今後とポイントは? 政治部官邸キャップが解説
東京地検特捜部が自民党の派閥のパーティー券をめぐる事件で刑事処分を行いました。自民党はどう捉えているのか?そして、今後のポイントは?政治部・平本典昭官邸キャップが解説します。
■刑事処分うけ自民党内から「意外」「想定よりダメージ小さい」
刑事処分に対してある閣僚経験者は「安倍派の事務総長が立件されなかったのは意外だった」と述べています。多くの自民党議員が「安倍派の幹部7人が不起訴になったことで想定よりダメージは小さい」と捉えています。ただ、「刑事責任」としては1つの区切りがついたと言えますが、「政治責任」は全く別です。むしろ「終わり」でなく、きょうが「始まり」と言えます。
これまで、多くの議員が「捜査中なのでコメントできない」と繰り返し続けてきましたが、捜査に区切りがついた今、コメントしない理由がなくなったわけで、政治家の説明責任はきょうからさらに求められます。
■“派閥解散”を次々決定…注目は麻生派の動き
18日に岸田首相は岸田派の解散を打ち出しました。すでに、大きな影響が広がっています。一言で言うと「岸田派が解散したならうちの派閥も解散しなくては」というプレッシャーが党内で拡大しています。
まず、さっそく二階派は19日に「派閥解散」を決定しました。そして、渦中の安倍派もこれから緊急総会を開きますが、幹部の1人が「解散は選択肢のひとつだ」と解散論も出ています。
いま、一番の注目は麻生派の動きです。麻生派は岸田首相の決断に怒っています。麻生副総裁は「派閥は新人育成の観点から必要」という立場です。なので、ある麻生派幹部は「麻生氏は絶対に怒る」「自分勝手でポピュリズムだ」と強い不快感を示しています。岸田さんが「事前相談」してなかったことも影響していそうです。
ある岸田首相の側近は「岸田氏、麻生氏はガチンコ勝負になるかも」と懸念を示しています。麻生派内からは「下手したら岸田おろしだ」と牽制する声がでる一方、首相サイドは「これで岸田おろしになれば自民党自体の終わりだ」と強気です。19日、岸田首相が麻生副総裁と直接会談しましたが、その真意が届いたか、が気になります。
■今後のポイントは3つ
今後の最大のポイントは各議員が「政治責任」をどう果たすかです。
疑惑を持たれた議員に説明が求められるのは
・裏金、不正なキックバックを受けたのか?
・何に使ったのか?
・誰の指示だったのか?
などです。
今後、3つのチェックポイントがあると思います。
1:自民党議員が会見などでどう説明するか?
2:党の内部調査、議員の処分がどうなるか?
いわゆる自民党の自浄作用が働くかどうかです。自民党は3年前緊急事態宣言下で銀座のクラブで飲食していた議員に離党勧告処分を下しました。今回、あるベテラン議員は「コロナ禍で銀座で飲み歩いていたのと裏金とどっちが悪いのか。処分は当然だ」と指摘しています。
さらに
3:国会での野党の追及がどうるなるか?
そして、こうした点をチェックし最後は、わたしたち有権者が次の選挙で投票するときの判断要素の1つにすることが大事になると思います。