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“キーマン”下村氏出席も…「本当に存じ上げない」 政倫審“新事実なし”

2024年3月18日 22:21
“キーマン”下村氏出席も…「本当に存じ上げない」 政倫審“新事実なし”

自民党安倍派の裏金事件をめぐり、事務総長経験者の下村元文部科学相が政治倫理審査会に出席しました。真相解明のキーマンと目されていた下村氏ですが、新たなことは何も明らかになりませんでした。

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記者(18日午後3時すぎ)
「下村議員が、政倫審が行われる国会に到着しました」

真相解明の“キーマン”と目されていた下村元文部科学相。

立憲民主党 寺田学議員(衆院・政倫審、午後3時45分すぎ)
「この(おととし)8月の会議の中で、いわゆる還付(キックバック)を継続をすることを、塩谷さんは緩やかな中で決まってたんだというふうな御答弁、お話がありましたし、一方で世耕さんや西村さんは、そこでは何も決まっていないという話でした。いかがだったんですか?」

一度廃止が決まった安倍派のキックバックは、なぜ再開されたのか――

2022年8月に行われた安倍派幹部の会合。塩谷座長は、キックバックを「継続していくしかない状況」で協議は終わったと述べましたが、西村前経済産業相は「結論は出なかった」、世耕元参院幹事長は、「確定的なことは決まっていない」と説明し、証言が食い違っていました。

4人の中で最後に政倫審の場に立った下村氏は、「キックバックが不記載との認識はなかった」と述べた上で、2022年8月の協議で“キックバック”の継続は決めていないと証言しました。

安倍派幹部 下村博文元文科相(衆院・政倫審、午後4時ごろ)
「そもそも8月の会合で、還付(キックバック)を継続するということを決めたということは全くありません」

立憲民主党 寺田学議員
「結果として還付が続いて、どなたに問いただしても、政倫審で問いただしても『誰が決めたか分からない』と」

下村博文元文科相
「私自身がいる場所で、そして決めたということは全くありません。ですからいつ誰がどんな形でどのように決めたかというのは、私自身、本当に存じ上げておりません」

下村氏は自身の関与を否定した上で、何も知らないと繰り返しました。

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これで、幹部会合に参加した4人全員の政倫審が終わりましたが、“裏金”の実態解明にはつながりませんでした。

自民党議員からは苦言も出ました。

自民党 井出庸生議員(衆院・政倫審、午後3時45分ごろ)
「これまでの政倫審との皆さんと同じ説明かと思いますし、そのことで国民の納得が得られるのかというところは、大いにまだ疑問を感じております。改めて派閥幹部の責任というものについて、下村議員のお考えを聞きたいと思います」

下村博文元文科相
「私が知らないところで、どんな形で誰がどう決めたのか、ということについては私も全く承知をしておりません。しかしだからといって、責任を回避するというつもりは全くありません。今後、党としても処分等も考えながら対応されるということでありますし、それは真摯(しんし)に受けとめたいというふうに思います」

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関係した議員の処分について、岸田首相は18日、「通常国会中には判断する」と述べましたが、それ以上の詳細な時期については明確に答えませんでした。

処分の前に衆議院の解散総選挙を行うことはないと明言しています。