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衆院3補選 「全敗」自民 “岸田おろし”と政権運営の今後は?

2024年4月30日 6:05
衆院3補選 「全敗」自民 “岸田おろし”と政権運営の今後は?

28日、衆議院の3つの補欠選挙が行われ、いずれも立憲民主党が勝利しました。全敗した自民党からは「次の選挙は岸田総理では戦えない」との声も上がっていますが、“岸田おろし”の動きは広がるのでしょうか─。

29日朝、島根・松江市で、沿道で車に手を振る女性。

「ありがとうございました」

島根1区の補欠選挙で当選した立憲民主党の亀井亜紀子氏です。

島根1区で当選 立憲民主党・亀井亜紀子氏
「この島根から、政治の新しい流れを作っていきたい」

29日朝、長崎・大村市で雨の中、笑顔で手を振るのは、長崎3区の補欠選挙で当選した立憲民主党の山田勝彦氏。

長崎3区で当選 立憲民主党・山田勝彦氏
「いっぱい笑顔や声援を頂いているので、これを力に変えて、国会でも地元でも頑張りたい」

   ◇

28日に投開票が行われた、衆議院の3つの補欠選挙。

岸田総理は、自民党が唯一候補者を立て、「保守王国」と言われ、長年議席を守り続けてきた島根1区に、2度も応援に入り、自ら支持を訴えました。しかし…

島根1区で落選 自民党・錦織功政氏
「当選することがかないませんでしたことを、ここに深くおわび申し上げます」

自民党の候補者は落選。与野党の一騎打ちは、立憲民主党が勝利しました。さらに、自民党が候補者を立てられなかった2つの選挙区でも、立憲民主党が勝利。(※東京15区で当選 立憲民主党・酒井菜摘氏/長崎3区で当選 立憲民主党・山田勝彦氏)

立憲民主党 泉代表
「この3つの選挙区で終わりということではなしに、さらに来るべき総選挙に向けて、我々は訴えを強くしていきたい」

“補選全敗”に、ある自民党議員は「予想以上に風当たりが厳しいことが明確になった」と話しています。

果たして今後の政権運営への影響は─。政治部官邸キャップの平本典昭記者に聞きました。

政治部官邸キャップ 平本典昭記者
「自民党内からは『岸田総理では次の選挙は戦えない』という声が広がっています。一方で、岸田総理に退陣を求める動き、いわゆる『岸田おろし』が出ているかと言えば、そうではありません。理由は2つあると思います」

平本キャップ
「ある自民党幹部は『今、自民党の顔を変えても意味がない。党全体の責任なんだ』と述べています。敗北は岸田総理1人の責任ではないという点です」

「もう1つは、石破さん、上川さん、 小泉さん、河野さんなどの名前は挙がってはいるんですが、『ポスト岸田は、この人だ』という有力候補がなかなか絞られてこないという点からです」

解散総選挙については…

平本キャップ
「岸田総理が描いてきた戦略は2つです。今の国会での解散総選挙の模索、もしくは、9月の総裁選での再選です」

「しかし、補選の結果で先行きは厳しくなっています。党内では『岸田総理での解散だけは勘弁してほしい』(閣僚経験者)などと解散を止めようとする動き、『総裁選でリーダーを代え、局面転換を』(自民党幹部)などと、総裁選で別のリーダーを求める動きが強まる可能性もあります」

(4月29日放送『news zero』より)