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【解説】混戦続く自民党総裁選挙 「三つ巴の戦い」どうなる?

2024年9月26日 21:25
【解説】混戦続く自民党総裁選挙 「三つ巴の戦い」どうなる?

事実上の次の首相が決まります。27日、自民党総裁選挙が投開票日を迎えます。政治部官邸キャップ・平本典昭記者が、以下の3つの疑問について解説します。

●残り1日…ずばり勝つのは誰?
●なぜ…自民議員「40人急増」
●最後は「なりふり構わず」戦略

鈴江奈々キャスター
「さすがに、勝負の行方は見えてきたのでは。ずばり、誰が勝ちそうですか?」

政治部官邸キャップ・平本典昭記者
「まだ誰がとは言い切れない状況で『混戦』が続いています。ここまで石破元幹事長、高市経済安保相、小泉元環境相の三つ巴の戦いとなっています。ただ最新の情報分析で、決選投票は『石破氏×小泉氏』、もしくは『石破氏×高市氏』の可能性が高いとの見方が広がっています。多くの議員が、石破さんが党員票でリードしていて決選に残るとみています」

鈴江キャスター
「決選投票のそれぞれのパターンで聞いていきます。石破さん、小泉さんでは、決選投票はどちらが優位ですか」

平本記者
「どちらかというと『小泉さん優位』という見方が多いです。というのも、決選投票では党員票より議員票の比重が高まります。議員票では、小泉さんが石破さんより、すでに多くの支持を固めています。さらに、例えば小林前経済安保相の陣営で『刷新感』を重視する議員は、小泉さん支持に回るとみられています。また、派閥のトップ、麻生さんや茂木さんも小泉さん支持に回るとみる議員が多いです。このように、議員票が『塊』で動く小泉さんが優位とみられているわけです」

鈴江キャスター
「石破さん、高市さんの決選投票となると、どちらが優位ですか?」

平本記者
「これは難しいです。まず麻生さんは高市さん、岸田首相は石破さんの支持に回るとみられます。一方で、党内では石破さんに対しては、安倍元首相との間に確執があったことから、安倍派の議員を中心に『石破さんだけは応援できない』という議員が多いです」

「また、高市さんに対しては、他陣営からは『裏金議員に対して甘くみえて、衆院選でマイナスだ』『保守的な主張が強すぎる』と、高市さんは応援できないという議員が多いです。それぞれプラス、マイナスの要素があり、予想が難しい状況です」

鈴江キャスター
「では、2つめの疑問。なぜ…自民議員『40人急増』? これはどういうことでしょうか?」

平本記者
「自民党議員は368人です。しかし、取材をしていると計算で410人、40人以上多くなってしまう現象が起きています。何の数字かというと、各陣営が取材に対して答える“うちは何人の議員票を固めた”という数で、これが410人になってしまうのです」

鈴江キャスター
「つまり重複している議員票があるということでしょうか?」

平本記者
「これは、各陣営が自分に『都合良く』見積もっていることが原因なんです。日本テレビの取材で確定した陣営ごとの支援する議員の票数よりも、陣営が主張している票数が多く、各陣営が主張する数を足すと、実際の議員数より多くなってしまうわけです」

「なぜこうしたことが起きるのか、取材をしていると、次のような声を聞きます。態度未定の参議院議員ですが『昨日も5、6陣営から電話がかかってきた。どこを支持するなんて言えないけれども、言わないと相手が電話を切ってくれないから、最後は面倒くさくなって応援してます、くらいは言っている』『自分が、いくつかの陣営でダブルカウントされているかもしれない』と話していました。こういうこともあるので、勝敗の行方は確実に議員票を固めているかどうかが、カギを握りそうです」

鈴江キャスター
「そして3つめ。最後は『なりふり構わず』戦略、ということですが、新たな動きは何か入ってきてますか?」

平本記者
「各候補の新しい動きの情報が入ってきています。まもなく石破さんが麻生副総裁の元を訪れるという情報が入ってきました。支援を求めるものとみられています」

「25日、26日と、特に石破さん、小泉さんの『派閥の重鎮詣』が激しくなっています。他の陣営からは、小泉陣営に対して『刷新感を売りに、派閥に最も距離を置いていたのに、今は一番近づいている』という声が出ています。これに対して、小泉陣営幹部は『ここまできたら勝つためにどんな手段でも使う』と話しています。議員票をめぐる、なりふり構わない攻防が、最後まで続くことになりそうです」

(9月26日午後5時30分ごろ放送『news every.』より)