岸田首相“関係強化”に首脳外交 ASEANを「対等なパートナー」へ
日本とASEAN=東南アジア諸国連合の友好関係50周年を記念した特別首脳会議が、まもなく都内で開幕します。
会議に先立ち、岸田首相は首脳外交を展開しています。グループとしてのASEANだけでなく、各国リーダーとの一対一の関係強化へ動いています。
マレーシアとの首脳会談では、OSA=政府安全保障能力強化支援の枠組みを通じて、救難艇やドローンなどを供与することで合意しました。総額およそ4億円で、軍の警戒監視などに活用されるということです。
首脳会議のポイントは、一言でいうと「関係の再定義」です。ASEANを支援する相手ではなく、「対等なパートナー」に位置づける、としています。
インドネシア、フィリピンなど10か国で構成されるASEANは、GDP=国内総生産で見ると20年ほど前には、日本の8分の1程度でした。
しかしASEANは成長を続け、2026年には、GDPが日本を上回る見通しです。ある外務省幹部は「今や、日本がASEANからパワーをもらう時代だ」と指摘しています。
また、中国に対抗する意味でも、日本はアメリカとの連携だけでなく、ASEANとの関係を深める必要があります。
ある外務省幹部は、「ASEANとの関係強化が日本の生き残る道だ」と話しています。