【激戦・和歌山2区】“裏金離党” vs “大物世襲”、自民票奪い合いも… 野党候補は
いわゆる“裏金事件”で処分を受けた候補者と、地元の大物の世襲候補が争う和歌山2区。さらに複数の野党候補も立候補していて、激戦が予想される選挙戦を追いました。
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無所属 世耕弘成氏(和歌山・海南市、15日)
「私は派閥の還付金不記載の問題で、大きな失敗をいたしました。皆様方に大変なご迷惑をおかけいたしました」
選挙戦の第一声を謝罪から始めたのは、世耕弘成氏です。世耕氏といえば、“安倍派5人衆”の1人で、経済産業相や参院幹事長を歴任した自民党の実力者でしたが、派閥の政治資金パーティーをめぐる収入、1542万円を政治資金収支報告書に記載していなかったとして、最も重い離党勧告処分になり、今年4月に自民党を離党していました。
この時、世耕氏は現職の参議院議員でしたが…
無所属 世耕弘成氏
「離党して全てを失いました。しかし諦めてはいません。全然、諦めてはいません」
衆議院へのくら替えを表明し、和歌山2区での出馬を決めました。
無所属 世耕弘成氏
「今回私には誰も応援弁士は来てくれません。大きな街宣車もありません。有権者一人ひとりの声に、もう1回頑張らせてもらえるかというご意見を謙虚に伺いながら、この選挙、一歩一歩、戦ってまいりたい」
ただ、この選挙区には、自民党公認の候補の二階伸康氏がいます。
自民党 二階伸康氏(和歌山・田辺市、15日 )
「私は自由民主党の公認をいただいた身です」
実は二階伸康氏は、先週政界を引退した自民党の元幹事長、二階俊博氏の三男なのです。
自民党 二階伸康氏
「うちのオヤジからは『北山村のことは頼むぞ』『北山村の皆さんと共に歩め』、このことを直接言われています」
二階氏といえば、和歌山で13回もの当選回数を誇り、地元は“二階王国”とも呼ばれる超大物。伸康氏はその地盤を引き継いで選挙戦に挑みます。
自民党 二階伸康氏
「まだ現職としての経験はゼロです。1つだけ私が持ち得る武器、それは若さとふるさとへの思いです。私はこの国を変えたい。そして、この生まれ育った和歌山を守って次の世代に引き継ぎたい。こういう思い一心で、この戦い、歩んでまいりたいと思います」
ただ、自民党候補と元自民党候補の激突に地元からは、「世耕さん、二階さんで、市議会の中でも半々くらい。やりにくくてしゃーない」(海南市議)との声も。お互いの票を奪い合う構図となっています。
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この2人に対抗するのは、立憲民主党から出馬した新古祐子氏です。
立憲民主党 新古祐子氏(和歌山・海南市、15日)
「2大巨頭と言われる裏金ブラザーズに対して、私1人で戦いを挑むような形になっております」
裏金問題を争点にかかげ、存在感をアピールしました。
立憲民主党 新古祐子氏
「新しい風を、女性らしい風を、しっかりと国民の声を国政に届けていきたい」
さらに共産党からは楠本文郎氏が立候補。
共産党 楠本文郎氏
「30年若者を含めて、賃金が上がっていない日本の現状」
消費税を当面5%に引き下げることや、「最低賃金1500円」などを強く訴えました。
共産党 楠本文郎氏
「全国一律の最低賃金1500円をすぐに実現をする。そして生産する年代の皆さん方の賃金を大きく引き上げていく」
和歌山2区には、ほかにも諸派の高橋秀彰氏が立候補しています。
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激しい選挙戦が予想される和歌山2区。投開票日は10月27日です。