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政倫審で安倍派議員「知らない」「関与してない」 予算案採決は攻防激化・・・立憲議員が「2時間55分」演説も

2024年3月1日 21:36
政倫審で安倍派議員「知らない」「関与してない」 予算案採決は攻防激化・・・立憲議員が「2時間55分」演説も

“政治とカネ”の問題をめぐり、安倍派の元事務総長らが政治倫理審査会で説明を行いました。こうした中、来年度予算案の採決をめぐり与野党の攻防が激化し、先の見通せない状況が続いています。

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政治とカネの問題をめぐり、3月1日も行われた政治倫理審査会。

午前は、安倍派の事務総長経験者である西村前経済産業相と、松野前官房長官が弁明の場に立ちました。

“裏金事件”実態解明のために開催されているものの、派閥の会計には「一切関わっていない」と強調し、収支報告書への不記載の事実も「知らなかった」と主張しました。

西村前経産相
「(当時の事務総長として)清和会(安倍派)の会計については一切関わっておりませんでした」
「今回の問題が表面化するまで、収支報告書に記載されていないことを知りませんでした」

続いて弁明した松野氏も、核心に触れる発言はありませんでした。

松野前官房長官
「(収支報告書の作成など)経理、会計業務には一切関与しておりませんでした」

   ◇

この政倫審の裏側では、来年度予算案をめぐった与野党の激しい攻防がありました。衆議院予算委員会の小野寺委員長が、委員長職権で予算案の採決を3月1日に行うと決めたことに、立憲民主党は猛反発。

1日午前、「審議時間が不十分」との理由で、小野寺委員長の解任決議案を提出。徹底抗戦の構えをみせたのです。

立憲民主党の代議士会が行われた部屋には、国会情勢が緊迫すると掲げられる2文字が。

「禁足」、つまり“国会周辺で待機せよ”という意味です。

立憲民主党 安住淳国対委員長
「私はささやかで息の長い抵抗をしていきたい。あんぱんも用意しました。水も用意しました」

長丁場となる本会議を見据えて、栄養ドリンクを飲む議員の姿もありました。そして午後1時すぎ、小野寺委員長の解任決議案の趣旨説明に、山井議員が現れました。通常30分程度の趣旨説明ですが、紙袋から取り出したのは大量の資料です。

立憲民主党 山井和則議員
「国会審議を身勝手に、裏金問題の幕引き、裏金問題隠しのために打ち切り、国民不在の委員会運営を強行する小野寺五典君は予算委員長の任にあらず。即刻解任すべきである」

間をとりゆっくりと演説しました。

立憲民主党 山井和則議員
「別にね…1週間遅らせてくれとか…来年度予算を通さないって言ってるわけじゃ、全然ないんですよ」

実は、野党側の引き延ばし戦術なのです。

2018年には、立憲民主党の枝野前代表が安倍内閣不信任案について、2000年以降の衆議院では過去最長となる2時間43分の演説を行い、その演説が本にまとめられたこともあります。この日の山井議員の演説は約2時間55分。枝野氏の記録を塗り替えました。

長すぎる演説に、ウトウトしてしまう議員も…。その後、採決では“牛歩戦術”をする議員もいました。しかし、解任決議案は、与党に加え野党の日本維新の会も反対に回り否決されました。

これに伴い午後1時から予定されていた安倍派の座長だった塩谷氏、前事務総長だった高木氏に対する政倫審の開催が大幅に遅れました。

午後5時すぎに政倫審は再開されましたが、国会審議は先が見通せない状況が続いています。