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首相一転「死刑のハンコ」法相更迭…葉梨氏 政治家として「いい発言目指したい」

2022年11月12日 2:08

■ 「法務省がなかなかマスコミに…」


11日午後5時前、岸田首相と面会するため、官邸に姿を現した葉梨康弘法相。「法務大臣は死刑のハンコを押した時だけニュースになる地味な役職」との発言が物議を醸していました。

葉梨法相(11日午後5時すぎ)
「ただ今、岸田総理に国務大臣の辞表を提出させていただきました」
「国民の皆様にもおわびをして、そして一から政治活動をやり直すという思いで」

葉梨大臣は、事実上の更迭となりました。問題発言をしたのは、自身も所属する岸田派の議員のパーティーでした。

葉梨法相(※9日夜・岸田派議員のパーティーでの発言)
「法務大臣になりましてもう三月になるんですけれども、大体、法務大臣というのは朝、死刑のハンコを押しまして…それで昼のニュースのトップになるのはそういう時だけという地味な役職なんですが」

就任からわずか3か月のことでした。

葉梨法相(11日午後5時すぎ)
「死刑という文言………軽率にも使ってしまった」
「国民の皆様に不快な思いをさせてしまいました」
「法務省は大切な行政を握っているのに、法務省がなかなかマスコミの皆さんに取り上げられる機会が多くない。この気持ちは本心です」

■ 他のパーティーでも「複数回」


“死刑のハンコ”発言を撤回し謝罪したものの、10日、当初は辞任を否定していた葉梨氏。岸田首相も続投させる考えでした。

しかし、一夜明けた11日午前、葉梨氏は、「他のパーティーとか地元の会合でも、複数回、そういう発言はさせていただいておりました」と、明かしたのです。

その後、午前の国会では、野党が厳しく追及しました。

立憲民主党・米山議員
「笑いを誘うお決まりのフレーズとして何回も使っていた。これよろしいですね?」

葉梨法相
「政治資金パーティーでは4回と記憶しています」

立憲民主党・鎌田議員
「ネット上では『死刑のはんこ』というワードが、トレンド入りしたことが一時期ありました」

葉梨法相
「極めて軽率で私の至らなさだと思います」

ただそんな中、岸田首相は「説明責任を徹底的に果たしてもらわなければなりません」と答弁。当の葉梨氏も、“辞めなさいよ、もう!”とヤジが飛ぶ中、「職務に全力を尽くして参りたいと考えております」と、まだ辞任を否定していました。

すると、議場はヤジで騒然ーーー。岸田首相は、ぶ然とした表情を浮かべていました。

正午すぎ、岸田首相は「葉梨大臣を交代させる考えは?」という記者団の問いに、「きのう(10日)から申し上げている通りです」と話しました。

しかし、岸田首相のこの返事とは裏腹に、このあと、“事実上の更迭”への動きが加速したのです。

■ 首相は急きょ外遊出発を延期


11日午後2時すぎ、騒然としていたのは羽田空港。岸田首相がASEAN首脳会議などに出席するため、午後に予定していた出発を急きょ、翌日に延期したのです。

佐藤正樹・日本テレビ
「空港には(同行する)記者団が出発に備えて集まっていましたが、“きょうは出発しない”という連絡が入ってきたため、困惑している状況です」

そして、一転して更迭が決まったのです。

■ 今後は「いい発言目指したい」


葉梨氏は、問題となったパーティーで、いわゆる“統一教会”をめぐっても発言していました。

葉梨法相(※9日夜・岸田派議員のパーティーでの発言)
「今回はなぜか、旧統一教会の問題に抱きつかれてしまいました。ただ抱きつかれたというよりは、“一生懸命その問題解決に取り組まないといけない”ということで、私の顔もいくらかテレビにですね、出るようになったということでございます」

この発言について、葉梨氏はーー。

葉梨法相
「旧統一教会の関係の被害者救済。まさに9月から相談窓口を作って、法テラスの窓口が来週14日にできます。そして専門部署も設置されます」
「そういう中で私自身の発言によって、水を差してしまった。このことについては誠に申し訳なく存じます」

また、「外務省と法務省、票とお金に縁がない」という発言も、後になって撤回した葉梨氏。

ーー後手後手になった思いは?

葉梨法相
「情報をこちらで隠すというつもりは全くありません」
「昨日(10日)の段階では、一昨日に報道が出たばかりでしたので、そこまで気が回らなかった」
「今後、微妙な発言については、どういうような捉え方をされているかということを、私も政治家の一員としてしっかりと確認するなり掌握するなり、よりいい政治を目指したい。いい発言を目指したいというふうに思います」

■ 「本人からの申し出」強調


そして、葉梨氏が“更迭”された後、午後6時前にカメラの前に現れた岸田首相。

岸田首相(11日午後6時前)
「私自身の任命責任についても重く受け止めております」

ーーいち早く総理がリーダーシップを発揮して、更迭する選択肢もあったと思うが?

岸田首相
「説明責任を果たしてもらわなければならない。これを指示したところ、本人から辞職の申し出があった。その発言の重みや影響に鑑みて、私がそれを受け入れた」

岸田首相はあくまで、「本人からの申し出を受け入れた」ことを強調しました。

■ 「求心力」首相周辺から危機感


葉梨氏の選挙区である茨城・取手市の有権者からは、落胆の声がこぼれました。

茨城・取手市民(20)
「小学生のころに葉梨議員と会ったことがあって、期待してた分、残念だなと思いました」

茨城・取手市民(60代)
「緊張感がないですよね。地元としてはがっかりしたな」

今回の“更迭劇”について、自民党幹部も「急だった」とこぼしました。後任には、斎藤健・元農水大臣が起用されました。

立憲民主党・泉代表(11日午後6時前)
「総理自身もまた、この発言の重さが理解できていない方だということが明確になった」

首相周辺からは、「これが原因で政権の求心力が下がっていくことは否定できない」と危機感も漏れ始めています。岸田政権にとって閣僚の更迭は、先月の山際氏に続き2人目です。