岸田首相は、いわゆる統一教会をめぐる問題で辞任した山際経済再生担当相の後任に、後藤茂之前厚労相を起用しました。山際氏の辞任が岸田政権に与える影響について聞きます。中継です。

経済対策の発表直前に担当大臣の更迭に追い込まれた岸田首相の指導力に、与党内からも厳しい批判が出ていて、求心力の低下は避けられない状況です。

自民党幹部は「全部、政府のミスだ。こんな時期に辞任させる必要はないし、事前に与党と調整した形跡が一切ない」と官邸への強い不満を口にしました。

複数の自民党議員が指摘するのは、岸田政権には政策の進め方などについて、事前に戦略をたて準備、調整を行うマネジメント能力が低いのではないか、という点です。

いわゆる統一教会の問題への対応をめぐっても、岸田首相は事前の準備不足から答弁を一夜にして撤回するなど、場当たり的な対応が目立ちます。今回の山際氏の辞任も、その延長線上に起きたといえそうです。

目の前の問題をさばくことで精一杯といった印象の岸田政権に、ある自民党幹部は「今後は、記者会見を開いていない細田衆議院議長や、萩生田政調会長に飛び火するのではないか」と指摘しています。

自民党のベテラン議員が「官邸がチームとして機能していない。このままだとまた新たな問題が起きる」と話すなど、今後の政権運営を不安視する声は増えてきています。