参院選“与党大勝” 岸田首相「安倍元首相の思いを受け継ぎ…」 憲法改正や拉致問題への姿勢強調
10日の参議院選挙で改選議席の過半数を獲得した自民党。岸田首相は会見で「安倍元首相の思いを受け継ぎ、 拉致問題や憲法改正など、果たすことができなかった難題に取り組む」と語りました。
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与党の大勝となった参議院選挙。自民党が改選議席の過半数となる63議席を獲得し、公明党と合わせて76議席となりました。
一夜明けた11日午後2時すぎに行われた会見で、岸田首相は「聞く力と決断と実行を、政権運営の両輪として、国民の皆さんの𠮟咤(しった)激励を背に、全力で難局の突破に取り組んでいく決意です。 安倍元首相の思いを受け継ぎ、 特に情熱を傾けてこられた拉致問題や憲法改正など、ご自身の手で果たすことができなかった難題に取り組んでまいります」と述べ、銃弾に倒れた安倍元首相の思いを受け継ぐことを強調しました。
その1つ、「憲法改正」について、岸田首相は「できる限り早く発議に至る。国民の皆さんにおける理解の促進と相まって、結果、憲法改正にたどり着く。こうした道のりをしっかりと示していきたい」と話しました。
選挙の結果、改正に前向きな、いわゆる「改憲勢力」の獲得議席は93となりました。憲法改正の発議に必要な、参議院の3分の2以上の議席を維持しています。
さらに岸田首相は「物価高対策」や「防衛力の強化」などに取り組んでいくと強調しました。
「物価高対策」について岸田首相は、「早速、今週中に(物価・賃金・生活総合対策)本部を開催することとし、5.5兆円の予備費の機動的な活用など、物価・景気の状況に応じた、迅速かつ総合的な対応に切れ目なく取り組んでいきます」と話しました。
また、内閣改造などについて問われると、「今の時点では具体的なものは何も決めていない」と述べました。
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一方、自民党の大勝を後押ししたのが、“野党の乱立”です。
日本維新の会は、選挙前の6議席から倍増の12議席を獲得しましたが、松井一郎代表は「負けを認めざるを得ない。今回の参議院の選挙が終わりましたら、次の代表にしっかり引き継ぎたい」と述べ、9月までに代表選挙を実施する方向で調整を始めています。
選挙前の23議席を下回る17議席となった立憲民主党の泉健太代表は「任期の間において、我が党をいかに上昇させていくかが責任だと思っています」と話し、改めて代表続投の考えを示しました。
また、国民民主党は7議席から5議席、共産党は6議席から4議席と選挙前の議席を下回り、れいわ新選組は3議席、社民党とNHK党はそれぞれ1議席を獲得。政治団体「参政党」は、初めて議席を獲得しました。
(7月11日放送『news zero』より)