中傷「いいね」で賠償命令――杉田政務官、問われる資質 答弁で「控えたい」何度も デジタル副大臣は教団側「推薦確認書」署名
26日の国会で、大串デジタル副大臣が“統一教会”関連団体の「推薦確認書」に署名していたと認めました。一方、誹謗中傷のSNS投稿に「いいね」をして賠償命令を受けた杉田総務政務官は、野党の追及に「控えたい」と繰り返すなど、資質が問われています。
衆院の厚生労働委員会で26日、いわゆる“統一教会”を巡って新たな関係が明らかになりました。
大串デジタル副大臣
「『推薦確認書』と呼ばれるものがなかなか見つからなくて、それが見つかったのが昨日でございます」
憲法改正などに賛同を求める、教団の関連団体による「推薦確認書」。大串副大臣は去年10月の衆院選前、これに署名したことを認めました。
立憲民主党・小川淳也議員が「なぜ山際大臣、辞めたと思います?」とただすと、大串副大臣は「その点につきましては個々の判断だと思います」と答弁。小川議員は「なに?」と声を上げ、「そういう認識だから政権は傷んでるんでしょう」と指摘しました。
小川議員
「政策協定(とも言われる推薦確認書)を締結するに至った経緯は?」
大串副大臣
「(推薦確認書は)憲法改正とか、割と我々が日ごろ取り組んでいるテーマに近いものであったということもありまして、まあ日韓トンネルに関しては、ちょっとこれは私はなかなかお力添えできませんよ、という話をした上でサインさせていただいたというものです」
大串副大臣は消費者庁も担当し、“統一教会”の被害者救済にも当たっています。「今回、報道があるまで、多額の献金がされているということは私も存じ上げておりませんでしたので」と釈明するも、小川議員は「そんな…甘い答弁でいいの?」と追及しました。
大串副大臣は「今後、教団とは一切関係を断ち、被害者救済にしっかり対応したい」と述べました。
一方、この日の国会で野党から資質を問われたのは杉田水脈・総務大臣政務官です。
立憲民主党・源馬謙太郎議員
「許される限度を超える侮辱行為だとして、賠償命令が出ました。この点の受け止め、お聞かせいただきたいと思います」
杉田政務官
「係争中の案件でございますので、詳細は控えたいというふうに思います」
杉田政務官は、ジャーナリストの伊藤詩織さんに対して、「枕営業」「ハニートラップ」などと中傷するSNSの投稿計25件に「いいね」を押したとして、東京高裁から10月、55万円の賠償を命じる判決を言い渡されています。
源馬議員
「人の気持ちも考えずに、一般人を誹謗するようなツイッターに“いいね”をする人、政務官務まるんですか」
杉田政務官
「何度も申し上げますが、現在は総務大臣政務官としての立場でございますから、こういった個人的なことについては、答弁は差し控えさせていただきたいと思います」
源馬議員
「じゃあ係争中じゃないことをうかがいますが、『#NoHeart NoSNS』(ハートがなけりゃSNSじゃない!)ってご存じですか?」
杉田政務官
「申し訳ございません、存じ上げません」
源馬議員
「大丈夫ですか? これ、総務省がやっている行動ですよ」
「#NoHeart NoSNS」は、杉田氏が政務官を務める総務省が、SNSなどで誹謗中傷が広まらないようにと行っているアクションです。
源馬議員は「政務官ですよね。大丈夫ですか、それ知らなくて」と資質を問いましたが、杉田政務官は「すいません、その質問、通告を頂いておりませんので」と答えるのみ。
「通告なくても知ってるでしょう」とやじが飛びましたが、杉田政務官は着席しました。源馬議員は「いや答えてない、答えてない」と疑問を投げかけました。
(10月26日『news zero』より)