「処理水」海洋放出2回目に中国反発 訪日中国人「気にしない」の声も…ラーメン店には再び“嫌がらせ電話”
5日午後、東京・台東区で行われていたのは「ホタテ祭り」。中国の禁輸措置が続くなか、「ホタテ」などの消費を後押しする目的で行われました。
同じ日、福島第一原発の処理水の2回目の海洋放出が始まりましたが、日本を訪れている中国人観光客からは意外な反応が見られました。
◇
大行列に並ぶお客さんのお目当ては、大粒のホタテです。熱々に焼き上がった北海道産のホタテに、福島県産の海産物を使ったカレーなどを楽しめる「ホタテ祭り」(※5日で終了)。福島第一原発の処理水放出で、中国による禁輸の影響を受ける“海産物の消費”を後押ししようと、東京電力が開催しました。
――「ホタテ」いくつ召し上がりましたか?
お客さん
「6個と串は2本、2人で食べました」
「おいしい」
――「ホタテ」が処理水の関係で余ってしまっているという話もありますよね
お客さん
「おいしいとしか思わないので、皆さんにも食べていただきたいなと」
5日午前10時すぎ、福島第一原発では、処理水の2回目の海洋放出が始まり、水が勢いよく流れているのが確認できました。
同じ日の午前8時ごろ、新鮮な多くの海産物が並んだ、福島県いわき市の漁港で漁師に話を聞くと……。
福島県の漁師
「もちろん、なにか問題があれば直結してくることなので。2回目(の放出)以降、大きなトラブルがないように、計画通りやってくれればいいなと」
◇
一方、放出を強く批判してきた中国では早速、メディアが速報しました。
中国メディアの記事
「核汚染水の2回目の海洋放出が始まった」
北京市内には、“処理水”放出の影響が色濃く出ているところもありました。
森 葉月 NNN北京
「日本料理店が入るこちらのビル、 デザインが大きく変わっていますね」
「渋谷横丁」と呼ばれ、日本料理店が多く入っていたビルを5日、訪れると…その看板は外され、まったく違うものに変わっていました。関係者によりますと、ここでは、処理水が放出されることになってから、天ぷら店など5店舗が相次いで閉店したといいます。近くの日本料理店からも“不安”の声があがっています。
北京の日本料理店 店長(2回目の処理水放出について)
「飲食店だったところが、ペットショップになったり…大変、苦戦しているんです。これ以上、この店が悪くなるのは、お客さんが0になることだから。そのぐらいまで落ちてきましたから。中国が早く理解を示してほしい」
◇
国慶節の大型連休で、日本を訪れた中国人観光客からの反応は“さまざま”で…5日午後、東京・浅草で聞いてみると――。
中国人観光客
「日本では、うどんを食べました。家族から、海鮮は避けるように言われています。海が汚染されるから、処理水の放出はしないでほしいです」
中国人観光客
「福島から遠いところでとれた海産物なら、大丈夫なんじゃないかと」
一方、日本の友人に会いに来た、というカップルは…
友人に会いに来た 中国人観光客
「私たちは、特に気にしていません。処理水の(トリチウム濃度の)基準値は超えていないと信じています」
そして早速、その夜…築地の海鮮丼を楽しんでいました。
「サーモン…いくら丼!」
「おいしいです!」
◇
また、5日午後、千葉県木更津市のホテルで話を聞くと、不安を感じていたのは“あの問題”でした。
「パプリカホテルです」ホテル支配人
「また、これ(2回目の処理水放出)で、嫌がらせ電話がかかってきたら怖い」
今年8月、1回目の海洋放出後には、中国の国番号「86」からの“嫌がらせ”電話が、全国で相次ぎました。
機械音声
「あなた方 日本は、ナゼ核廃水を排出したのですか?」
同じく、“嫌がらせ電話”に悩まされていた埼玉県春日部市のラーメン店を訪ねると、一時、落ち着いていた“迷惑電話”が、この1週間は再び、連日のようにかかってきたといいます。
会津ラーメン和 店主
「2回目の処理水が放出されるとニュースを見た時に、“もしかしたら”っていうのはありましたね」
「もうかかってきてほしくないです」
2回目の処理水放出は、1回目と同じく、約7800トンを17日間ほどかけて行われる予定です。
(10月5日放送『news zero』より)