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「偏見・差別は人を狂わせる」朝鮮人と疑われ9人殺害された“福田村事件”100年で追悼式

2023年9月7日 19:30
「偏見・差別は人を狂わせる」朝鮮人と疑われ9人殺害された“福田村事件”100年で追悼式

関東大震災後の混乱の中、香川県出身の行商人ら9人が殺害された「福田村事件」から6日で100年となり、追悼式が行われました。

6日、千葉県野田市で行われた追悼式。100年前、この地で何の罪もない9人の命が奪われました。

福田村事件の遺族
「怖かっただろうな、香川に帰りたかっただろうな、そう言ってるように聞こえた気がします」

この福田村事件が起きたのは、関東大震災から5日後です。震災後の混乱の中、「朝鮮人が井戸に毒を投げた」などとデマが拡散。香川県から薬の行商に来ていた15人は、現在の野田市の神社で地元の自警団に囲まれました。自警団の中には朝鮮人だと疑う者もいて、それをきっかけに9人が殺害されました。中には妊婦や子供も含まれていました。

およそ20年前に慰霊碑をたて、追悼式を主催した市川正廣さん。

追悼式を主催した市川正廣さん
「背景には民族差別、部落差別、職業差別などが交錯した、いわゆる複合差別事件があると」

犠牲者の遺族も香川県から追悼式に参加しました。

福田村事件の遺族
「当時の時代背景の中で、そうさせた“元”を直視するべきだと私は思います。デマや流言を流した“元”ですよね。やっぱり差別なくすこと、偏見・差別っていうのは人を狂わせるし、人を殺す最大の人権侵害だと私は思います」

100年たった今もインターネットやSNSでデマが流れる時代。市川さんは事件の教訓を学んでほしいと訴えています。

追悼式を主催した市川正廣さん
「この社会は差別問題がないんじゃなくて、たくさんあります。その差別を学ぶために、二度とこういう事件を起こさないという学習がさらに大事なる。そこで福田村事件が生きてくると思いますね」