インドネシア滞在3日目 天皇皇后両陛下が宮殿で「歓迎行事」に出席 “大きなサプライズ”も
インドネシアに滞在中の天皇皇后両陛下は19日、国賓として歓迎行事に出席されました。両陛下は、ボゴール宮殿で大統領夫妻と植樹式に臨み「マラッカジンコウ」の苗木を植えられました。そして、植樹式の後には大きな“サプライズ”もありました。
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日本時間19日正午前、天皇皇后両陛下はインドネシア・ジャカルタ近郊にあるボゴール宮殿に入られました。両陛下は、色とりどりの民族衣装姿の人々から「インドネシアへようこそ!」と歓迎を受けられました。
陛下は、インドネシア・ジョコ大統領の出迎えを受け、握手を交わされます。
インドネシア ジョコ大統領
「ありがとうございます」
体調を考慮し、18日の視察を控えた皇后さまも笑顔であいさつを交わし、両陛下は国賓として歓迎行事に出席されました。
両国の国歌が演奏される中、「礼砲」が鳴り響きました。式典で鳴らされた礼砲は21発。陛下は、大統領と並んで儀仗(ぎじょう)隊の前を歩かれました。
お二人そろっての国際親善訪問は、2002年以来、21年ぶりとなります。
両陛下は、宮殿内で大統領夫妻と植樹式に臨み「マラッカジンコウ」の苗木を植えられました。
植樹式の後、大きなサプライズがありました。移動のために用意されたのは「ゴルフカート」。ハンドルを握るのは、なんと大統領です。急きょ、大統領がカートを運転し、両陛下を宮殿に隣接するボゴール植物園へ案内することになったということです。両陛下は、ゴルフカートで移動中、会話をしながら美しい緑を楽しんでいるご様子でした。
植物園を見た後、陛下は大統領とともに即興でスピーチをされました。
天皇陛下
「今後、両国の若い人々の交流により、両国間の友好親善がいっそう発展することを心から願っております」
インドネシア ジョコ大統領
「両陛下の初めての外国への親善訪問にインドネシアが選ばれたことを、非常に光栄に思っております」
また、陛下はゴルフカートでの案内など大統領夫妻のおもてなしに感謝し、最後にインドネシア語で「テリマカシ(ありがとう)」と述べられました。
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両陛下は、17日からインドネシアに滞在されています。
18日は、天皇陛下お一人で、日本の経済協力で造られたジャカルタの都市高速鉄道の車両基地を視察しました。運転席では取材陣に、にこやかに手を振られました。
18日の2か所目の視察先は、ジャカルタ首都圏を洪水から守るための排水機場でした。この施設は老朽化で排水機能を失ったため、日本の協力により改修工事が行われました。
水に関する問題をライフワークとして研究している陛下は、今後の課題を質問するなどして、熱心に視察されました。
滞在3日目の19日、両陛下はお二人そろって行事に出席されました。皇后さまも大統領夫妻によく話しかけ、笑顔で交流されていました。
両陛下は、大統領主催の昼食会にも出席されました。19日夜は、日本とゆかりのあるインドネシアの人たちとの懇談が予定されています。