第1子が就職したら…大学無償化「対象外?」 3人きょうだいの場合 制度に不満の声も
政府は11日、「こども未来戦略」案を公表し、扶養するこどもが3人以上の多子世帯の高等教育費を“無償化”する方針を示しましたが、自民党内からは、現在の案では了承しがたいという意見も出ていることがわかりました。
次元の異なる少子化対策の実現に向けて11日政府が示した「こども未来戦略」の案には、大学や専門学校などの高等教育費が高いことにより、理想のこどもの数を持てない状況を払拭するとして、2025年度からは、3人以上のこどもを扶養する多子世帯の学生などについて、授業料・入学金の“無償化”を行うことが盛り込まれています。
所得制限は設けませんが、”無償化”といっても、上限がある補助です。国公立大学の学生では、入学金およそ28万円授業料年間およそ54万円を上限に、私立大学の学生では入学金およそ26万円、授業料年間およそ70万円を上限に免除・減免を行います。
短期大学や高等専門学校の4・5年生、専門学校も対象ですが、それぞれ支援の上限額が異なります。
医学部や薬学部に進学した場合は6年間支援を受けることができますが、大学院は支援の対象外だということです。
また、たとえば、3人きょうだいで第1子が就職するなどして扶養から外れると、扶養するこどもが2人になるため、制度の対象から外れるということです。
さらに、進学先の大学などが定員割れをしている場合や、その学生の留年や出席率が低い場合にも、対象から外れる可能性があるということです。こうした中、12日、自民党の会議が開かれ、現在の制度では了承しかねる、という意見が複数出たということです。
また、この新たな制度については、SNSなどでも「こどもの数」ではなく「扶養しているこどもの数」で対象が決まることへの反発や免除・減免の上限が設定されていることに対し、“無償化”ではないと不満の声もあがっています。