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【ストップ自殺】「助けが必要な子ほど、助けを求めない」自殺のリスクを確認するツール開発【ココロが疲れ切る前に】

2023年8月24日 18:28
【ストップ自殺】「助けが必要な子ほど、助けを求めない」自殺のリスクを確認するツール開発【ココロが疲れ切る前に】

新学期を迎えるこの時期は、子どもの自殺が多くなる傾向にあります。ココロが疲れた、つらいと感じる人に届いてほしい「news every.」からのメッセージです。今回は自殺のリスクを確認するツールの開発者に話を聞きました。

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自殺のリスクを確認する「RAMPS(ランプス)」というツールを紹介する動画では、調子が悪そうな生徒が保健室に向かい、タブレットを手に取ってRAMPSへ入力する様子が流れます。RAMPSでは1次検査として11項目の質問があり、最初は体の不調などを尋ねますが、「これまでに『生きていても仕方がない』と考えたことはありますか?」など、徐々に「うつ」や自殺に関する直接的な質問に進みます。

保健室の養護教諭は気になる兆候がないか、回答を確認。答えるまでの時間も記録されていて、悩んだ上で出した答えなのか判断の基準にします。そして、必要と認められた生徒は面談による2次検査へ。より詳しく話を聞いていきます。

養護教諭
「生きていても仕方がないって気持ちも、ずっと考えちゃう?」

生徒「毎日」

養護教諭
「毎日ずっとそう思っているんだね。苦しかったね」

このツールを利用することで、生徒は気持ちを整理し、学校側は問題を明確化して適切な支援につなげるのです。

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ツール開発の背景には、高校生1万人を対象とした研究があったといいます。

RAMPSの開発者 東京大学・北川裕子特任助教
「助けが必要な子ほど、助けを求めない。自殺の危機が迫った子ほど、助けを求めないという傾向」

RAMPSは、子どもたちが“声をあげること”を助けるために開発されたといいます。新潟県では、このツールを60の中学校や高校などで導入。担当者によると、毎年、数十人の自殺リスクがある生徒に気づくことができているということです。

RAMPSの開発者 東京大学・北川裕子特任助教
「自殺のことを聞くということは、話してもいいんだよというメッセージ」

“話を聞くこと”は、私たち一人ひとりにもできることかもしれません。

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開発者の北川さんは「普段から周囲の人に悩みをちゃんと吐き出せていますか」と尋ねているそうです。RAMPSはまだ一部の学校でしか使われていませんが、チャットや、LINEで苦しい気持ちを吐き出せる窓口もあります。ぜひ、相談してみてください。

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