福島原発1号機の原子炉へ真水の注入開始
事態悪化を食い止める作業が続く福島第一原子力発電所では25日、1号機の原子炉へ真水の注入が始まった。一方、3号機の建屋内では高いレベルの放射線が検出されたことがわかった。
自衛隊は25日午後、23日午後1時前に福島第一原発の上空から撮影した映像を公開した。1号機から4号機の様子を詳しく捉えている。
現在、電源や給水ポンプの復旧作業が行われているが、「東京電力」によると、1号機では25日午後、原子炉の中に真水の注入を始めた。これまで原子炉へは海水を送り込んでいたが、真水は海水より効率的に冷やすことができるという。
一方で、24日の作業中に高いレベルの放射線に被ばくした作業員3人は25日午後、より詳しい検査を受けるため、千葉県の放射線医学総合研究所に搬送された。その後、3人が作業していた場所の水たまりの表面を調べたところ、一時間当たり400ミリシーベルトの高いレベルの放射線が検出されたという。この値は、原子炉の中に通常ある水の放射線量の1万倍になる。
これほど高いレベルの放射線が検出された理由について、経産省の原子力安全・保安院は「閉じ込め機能の中で何らかが少し損なわれている可能性があるが、それ以上はわからない」と述べた。その上で、圧力の弁が緩んでいたり、原子炉から伸びている管などが一部で破損したりして、原子炉内の水が漏れ出している可能性があると指摘した。