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原子力業界の体質に危機感~事故調委員長

2011年6月22日 22:16
原子力業界の体質に危機感~事故調委員長

 福島第一原発事故の事故調査・検証委員会の畑村洋太郎委員長が22日午後、記者会見し、原子力業界には原発事故を起こすおそれがある体質があると感じていたことを明らかにした。

 畑村委員長は「(原発で働く人が)決められた範囲の外側に関心を示さないやり方になっていて、それがすごく危ないと思いました。失敗は予測できると、いつ、どこかかは言えなくても、シナリオは書ける状態だったんです」と述べ、事故以前に原発を訪れて関係者と議論をする中で、原子力業界には原発事故を起こすおそれがある体質があると感じていたことを明らかにした。

 また、原発の設備のうち、原子炉以外の冷却設備などについて、地震や津波への備えが不十分だったと指摘した。

 一方、「強制力を持たない委員会の調査には限界があるのでは」との指摘には、「ウソをつけばどこかで矛盾が生じる」などと話し、様々な視点から調査することで真実が明らかになると反論した。