【解説】長期化するコロナ禍 生活・健康への影響…調査結果は? ストレス・発散法に男女差が…
すでに2年半以上続いているコロナ禍が、私たちの生活や心身の健康にどのような影響を及ぼしているのか、最新の調査結果が公表されました。
・ストレスに男女差
・発散方法は?
・4人に1人がコロナ太り
以上のポイントを中心に詳しく解説します。
公表されたのは、明治安田生命が今年7月に全国の20代から70代の男女に行ったアンケート(複数回答)の結果です。
「健康に関して何に不安を感じているか」との質問に対して、最も多かった回答が「運動不足(55.6%)」、「体力が衰えてきたこと(50.4%)」で、どちらも50%を超えています。これらは、去年も同じくらい多くの人が不安に感じた項目でした。
一方で、「新型コロナに罹患(りかん)」に不安を感じると答えた人は22.3%と、去年と比べると5.2ポイント減少しています。ワクチン接種が進んだことや、重症化率の低下などに加え、コロナ禍が長期化する中で“コロナ慣れ”が進んでいることが推測されます。
また、「コロナ禍でストレスを感じているか」という問いに対しては、全体の64.0%が「感じている」と回答しました。
コロナ禍でストレスについて8日、都内で街の人にも聞いてみました。
大学生
「外に出られないこともストレスですし、バイト面で収入が減っているのもストレスの原因。(バイトは)塾講師をしています」
女性(50代)
「旅行にこっそりは行っても、お友達にあそこいってきて楽しかったよという話ができないのが、すごいストレス」
2児の母(40代)
「近所の方と会っても、今までは立ち話したりしていたんですけど、近づかない方がいいかなとかでおしゃべりが減った。それがすごくストレスになりますね」
コロナ禍で「ストレスを感じる」と答えた人は、全体で64.0%でしたが、「子どものいる男女」で見てみると、父親の64.2%、母親の71.8%が「ストレスを感じる」と答えました。どちらもかなり高い数字ですが、母親の方がよりストレスを感じているという結果が明らかになりました。
7割以上の母親がコロナ禍でストレスを感じている原因として、一番多かったのは「外出が制限されるから(57.2%)」、次いで「人に会う機会が減ったから(49.3%)」、3位は「新型コロナに感染することへの心配(47.9%)」でした。
今回の調査を担当した明治安田総合研究所のチーフエコノミスト・小玉祐一さんは「人間関係が職場に限られがちな父親に対し、母親はママ友や親戚など幅広いネットワークを持っているケースが多く、人に会えない影響がより大きいのではないか」と、また「子どもや夫のステイホームが続き、食事作りなどの家事の負担が増えたこと」が母親のストレスが増えた大きな要因だと分析しています。
「ストレス発散のために何をしたいか」という質問では、上位3位は次のようになりました。
1位 ショッピング
2位 運動
3位 自宅での飲酒(いわゆる“家飲み”)
こちらも男女差が少しあり、母親はこの全体の順位と全く同じで、父親は“家飲み”が1位、「運動」が2位で「ショッピング」は3位でした。
街では、次のような声も聞かれました。
主婦(60代)
「主人が在宅勤務になりましたので、非常にストレスになっています。実はトップガン、34回見に行きました。出てる役者さんが好きなので、好きな人がいるとか楽しいことって心の健康につながると思います」
一方、ストレスとも関連しているのが、「コロナ太り」です。
コロナ禍が長期化する中で、このアンケートでは実に4人に1人が1年前より「体重が増えた」と回答しています。「体重が増えた」と回答する人の割合は、3年連続で増加しています。その理由は「食べ過ぎ(63.0%)」、「運動不足(60.7%)」が圧倒的で、どちらも60%を超えています。
街では、次のような声も聞かれました。
大学生
「家にいる時間が長いので冷蔵庫あさったりして、よくお菓子とかチョコレート食べてました」
男性(60代)
「(ピーク時に増えたのは)4~5キロってとこですかね。ゴルフとか、あとはヨガですね。ホットヨガを集中的に(やっている)」
ほかにも、運動不足解消のために「なるべく歩いて移動するようになり、靴を新調したら気分が上がった」などという声もありました。
こうした自分の健康のための投資をしている人は、去年よりも約3ポイント増加し58.5%となっています。具体的に何に使っているのかについて、次のような結果になりました。
1位 サプリメント
2位 ウオーキング・ランニングのためのシューズやウエア
3位 自宅で使う筋トレグッズやエクササイズ器具
やはりコロナ禍とあって、「手軽に」「ひとりで」できるものが人気とみられます。
◇
新型コロナ感染拡大前のようには旅行や外食が楽しめなかったり、友人とも疎遠に感じてしまったりと、皆さん、何かしらの我慢を重ねてきた2年半だと思います。自分の中に知らず知らずたまっている“心や体の疲れ”をうまく癒やす方法をみつけておくことも、ウィズコロナを生き抜く1つの知恵なのかもしれません。
(2022年9月8日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)