台風11号 西日本で猛烈な雨の見込み
気象庁によると、強い台風第11号は、10日未明から明け方にかけ、四国地方にかなり接近し上陸する見込みです。西日本では猛烈な風が吹き、猛烈なしけとなっており、西日本の太平洋側と東海地方を中心に猛烈な雨を伴い大雨となる見込みです。暴風や高波、土砂災害、低地の浸水、河川の増水やはん濫、高潮に厳重に警戒してください。
【気象庁の発表内容は以下のとおり】
[台風の現況と予想]
強い台風第11号は、9日21時には、足摺岬の南約60キロにあって、1時間におよそ15キロの速さで北北東へ進んでいます。中心の気圧は965ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルで、中心の南東側170キロ以内と北西側130キロ以内では風速25メートル以上の暴風となっています。
台風第11号は、強い勢力を維持したまま、比較的ゆっくりとした速度で北上し、10日未明から明け方にかけて、四国地方にかなり接近し上陸する見込みです。その後、次第に速度をやや早めながら、中国地方または近畿地方を通過する見込みで、10日午後には日本海を北上するでしょう。
[防災事項]
<暴風>
九州と四国の一部が風速25メートル以上の暴風域に入っており、四国地方では海上を中心に猛烈な風が吹いています。西日本では10日夕方にかけて広い範囲で暴風となり、10日昼前まで猛烈な風が吹くおそれがあります
。また、10日明け方から夜遅くにかけて、東日本でも暴風となるおそれがあります。
10日にかけて予想される最大風速(最大瞬間風速)は
四国地方 35メートル(50メートル)
近畿地方、中国地方 30メートル(45メートル)
九州、北陸地方、東海地方 25メートル(35メートル)
の見込みです。台風の動きが遅いため暴風が長く続くおそれがあります。暴風に厳重に警戒してください。
<高波>
四国地方と近畿地方の海上では猛烈なしけ、九州、東海地方、伊豆諸島では大しけとなっています。西日本の太平洋側では10日昼前にかけて猛烈なしけとなるでしょう。
10日にかけて予想される波の高さは
四国地方 12メートル
近畿地方 10メートル
九州南部、東海地方 8メートル
九州北部地方 7メートル
中国地方、北陸地方、関東地方、伊豆諸島 6メートル
の見込みです。台風の動きが遅いため高波が長く続くおそれがあります。うねりを伴った高波に厳重に警戒してください。
<大雨・雷・突風>
台風を取り巻く雨雲が西日本の太平洋側から東海地方を中心にかかっています。西日本の日本海側から北日本には前線が停滞しており、前線に向かって台風周辺の湿った空気が流れ込んでいます。このため、四国の太平洋側を中心に雷を伴った非常に激しい雨が降っており、三重県では大雨特別警報を発表しています。10日夜遅くにかけて、西日本と東日本では1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降り、四国地方と近畿地方では10日午前中にかけて、東海地方では10日夕方にかけて、局地的に1時間に80から120ミリの猛烈な雨が降るおそれがあります。
10日24時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多いところで
東海地方 500ミリ
四国地方、近畿地方 400ミリ
関東甲信地方 300ミリ
東北地方 250ミリ
中国地方、北陸地方 200ミリ
九州北部地方、北海道地方 100ミリ
の見込みです。その後も北日本を中心に雨量は増え、11日24時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多いところで、
北海道地方 100から200ミリ
東北地方 100から150ミリ
関東甲信地方、北陸地方 50から100ミリ
の見込みです。これまでの大雨で地盤が緩んでいる地域があります。西日本と東海地方では、土砂災害の危険度が非常に高まり、河川のはん濫の危険性が高くなっているところがあります。土砂災害、低地の浸水、河川の増水やはん濫に厳重に警戒してください。
また、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意が必要です。発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。
<高潮>
9日から大潮の時期で、平常時の潮位が年間で最も高い時期となるうえ、台風の接近に伴い潮位が高くなる見込みです。10日日中にかけて、西日本を中心に海岸や河口付近の低地では浸水や冠水に警戒してください。
[補足事項]
今後の台風情報や、地元気象台が発表する警報、注意報、気象情報に留意してください。次の「台風第11号に関する情報(総合情報)」は10日5時頃に発表する予定です。