“大学病院の安全管理を考える会議”初会合
東京女子医科大学病院や群馬大学病院で患者が死亡した問題が相次いだことから、厚生労働省は大学病院の安全管理体制を考える会議を立ち上げ、14日、初会合が行われた。
会議には、厚生労働省の担当者の他、中央大学法科大学院の野村修也教授や、患者から医療相談を受けるNPO法人の理事長らが顧問として参加した。
東京女子医大病院と群馬大病院は、患者の死亡と、その後の対応が不十分だとして、高度な医療を行う特定機能病院の承認を取り消される見通しだが、その他、全国の大学付属病院などの特定機能病院についても、厚生労働省は来月から3か月かけて集中検査を行う予定。検査では、安全な医療を提供するために病院長の権限や責任のあり方や、患者への説明が適切かなどをチェックするが、この日の会合で、3人の顧問からは、「医療安全の体制があるか、書類で確認するだけでなく、看護師らにも聞き取りを行い、その体制が本当に機能しているか実態を把握すべき」といった意見が相次いだ。
次回の会合では、チェックすべき内容や方法を決め、集中検査を通じて、診療科ごとの縦割り意識が強く情報共有が難しいと言われる大学病院に共通の課題や、その背景を把握するとしている。検査を終えた9月以降は、把握された課題を念頭に、特定機能病院を承認する際の要件や、承認後、年に一度行う定期検査の内容について具体的に見直し、大学病院の安全確保につなげる考え。