豚の生レバー提供禁止へ 他の生肉提供は?
厚生労働省は27日、レバーなど豚肉を生で提供することを食品衛生法で禁止すべきという結論をまとめた。6月中旬から禁止される予定。豚以外の生肉の提供についてまとめた。
【牛】
生食は、レバーとそれ以外で対応が分かれている。レバーには内部まで腸管出血性大腸菌・O-157が含まれているため、生での提供は法律で禁止されている。一方、牛の肉をユッケやたたきなど生で提供する場合には、肉の外側にO-157が付くため、肉の塊の表面を1センチ以上の深さまで60℃で2分間以上加熱して殺菌すれば、中の部分を生で提供できる。
【鶏】
肉や内臓には食中毒を起こすサルモネラ菌などがいるものの、死に至ることはあまりないため、生での提供をしないよう「指導」はしているが、法律で禁止はされていない。
【馬】
肉とレバーは食中毒などのリスクが比較的低いため生での提供を認めているが、厚生労働省の「ガイドライン」で肉の表面を取り除く方法などを定めている。
【野生の鹿や羊などの「ジビエ」】
E型肝炎ウイルスなどがいて、感染すれば死に至る危険性が高いものの、流通量が少ないため生で食べないよう「指導」していて、法律で禁止はしていない。
食品衛生法は、あくまで業者や飲食店による販売や提供を規制するもので、消費者の食べる行為を縛るものではないが、厚生労働省は、お年寄りや子ども、抵抗力が弱い人は動物の種類にかかわらず生の肉を食べないよう呼びかけている。