箱根山ごく小規模噴火 火山灰など堆積確認
気象庁は、活発な火山活動が続いている神奈川県の箱根山でごく小規模な噴火が発生したとみられると発表した。こうしたことから、気象庁は30日午後0時半、箱根山で初めて噴火警戒レベルを2から3に引き上げた。
気象庁は、大涌谷でごく小規模な噴火が発生したとみられると発表した。これは30日、気象庁と神奈川県温泉地学研究所が大涌谷の調査をしたところ、29日に見つかった新たな噴気孔の周囲で、火山灰などの噴出物の堆積による盛り上がりが確認されたことから、ごく小規模な噴火が起きたと判断したもの。
また、今後、大涌谷周辺の想定火口域から700メートル程度の範囲まで影響を及ぼす噴火が発生し、居住地域近くに影響を及ぼす噴火が発生する可能性が高いとして、午後0時半に噴火警戒レベルを2から3に引き上げた。これに伴って現在、大涌谷周辺の規制範囲がさらに広がり、早雲山から姥子までの区間の県道が新たに通行止めになる。箱根山で噴火警戒レベルが3に引き上げられたのは、初めてのこと。
気象庁によると、29日朝には高温のガスや水蒸気が地下を移動することで起きる「火山性微動」が発生し、30日朝も箱根町では午前7時前と10時半すぎに震度3の揺れを観測するなど、地震活動が活発な状態が続いている。気象庁は引き続き、小規模な噴火に警戒を呼びかけている。
一方、箱根町役場は規制範囲内に一部の民家や事務所などが含まれることから、今後、対象の住民らに避難指示を出すという。