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広島土砂災害1年 祈りに包まれる被災地

2015年8月20日 10:57
広島土砂災害1年 祈りに包まれる被災地

 広島市で75人の犠牲者を出した土砂災害から、20日で1年がたった。あの日から1年、被災地は祈りに包まれている。

 被害が最も大きかった安佐南区の八木地区では、20日明け方まで雨が降ったりやんだりを繰り返していたが、現在はやんでいる。52人が亡くなった八木地区では、遺族をはじめ多くの人が訪れ、災害が起きた時刻に手を合わせた。

 新婚の娘夫婦を亡くした若松直美さんは「きのう、おとといも夢を見たが、2人とも元気でした。できればおなかの赤ちゃんも生まれたところを見たかった」と語った。

 ちょうど1年前、安佐南区一帯は大量の土砂に埋まった。被害は広範囲に及んだ。被災地では、様々な形で追悼が行われている。7世帯10人が亡くなった八木ヶ丘町の町内会では、住民ら約100人が犠牲者が出た家を一軒ずつ回り、祈りをささげた。

 被災地では、悲劇を後々まで伝えていこうと、所々に慰霊碑が建立されている。その一方、土砂を食い止める砂防ダムは、いまだ多くが完成を見ていない。

 広島市内中心部では、20日午後から広島市と広島県の合同追悼式が開かれ、慰霊の一日となる。