「パー券」問題 議員聴取が本格化 証言もとに再現 特捜部の狙いとは?【バンキシャ!】
派閥のパーティー券をめぐる問題で、安倍派議員への事情聴取が本格化しています。聴取では、何を聞かれているのか。バンキシャ!は、証言をもとに議員への聴取の様子を再現。特捜部の捜査の狙いが見えてきました。
◇
12月24日午前8時前、バンキシャ!は東京・赤坂にある衆議院議員宿舎へ。
バンキシャ!
「非常に静かな朝を迎えています」
24日正午過ぎ、そこに現れたのは、自民党・安倍派で最高顧問を務める衛藤征士郎衆議院議員。
衛藤征士郎衆議院議員
「国民の信頼が著しく損なわれたことについては、大変申し訳ない」
―――(バンキシャ!)聴取を受けた議員は身を処すべき?
衛藤征士郎衆議院議員
「捜査の結論を踏まえていないと軽々なことは言えません」
―――ご自身は?
衛藤征士郎衆議院議員は記者の質問に、「別に別に…」と話し、その場から離れました。
◇
東京地検特捜部による自民党・安倍派と二階派事務所への強制捜査。そして、松野前官房長官、萩生田前政調会長、世耕前参院幹事長、高木前国対委員長の安倍派幹部4人が任意の事情聴取を要請されるなど、大きな動きをみせた政治資金パーティーをめぐる問題。
その水面下で本格化しているのが議員たちへの聴取だ。バンキシャ!が取材を進めると、これまでわかっていなかった聴取の中身が見えてきた。
安倍派の議員が事務官に連れられてやってきたのは高級ホテルの客室。待っていた検事による聴取が始まった。
検事
「キックバックの認識はありましたか」
議員
「ありました」
関係者によると、検事から質問されたのは、「裏金だと理解していたか」「政治活動に使ったか」「どう処理したか」「いつどのように受け取ったのか」など主に8つ。この聴取は、3時間かかったという。
複数の関係者によると、別の議員は今月、聴取の前日に事務所のスタッフ総出でリハーサルを行ったという。
秘書
「あすの聴取で、どのようなことを聞かれるか想定問答で確認しましょう」
「私が検事役で質問します」
「政治資金収支報告書に記載しないよう、あなたが指示したんですか」
議員
「いいえ、私は指示していません」
秘書
「私的流用はなかったですか」
議員
「していません」
秘書
「今のお答えはもっと…」
聴取当日。指定された場所は、都内にある高級ホテル。車のナンバーを登録しないと入れない地下駐車場へ。そこで事務官と合流し、検事が待ち受ける部屋に入る。そして…
検事
「政治資金収支報告書に記載しないよう指示したんですか?」
キックバックを収支報告書に記載していないことが問題だとして、その点を中心に聴取が進められたという。さらに聞かれたのは、キックバックで得たカネの使い道。
検事
「政治活動に使いましたか?」
「私的流用はなかったですか?」
◇
議員への聴取が本格的に進む中、バンキシャ!は安倍派議員の関係者に話を聞くことができた。
―――ご自身に捜査の手は及んでいるのでしょうか?
安倍派議員の関係者
「いますね。聴取を受けていますから」
この関係者はすでに2回聴取を受けたという。検事が主に質問してきたというのが…
安倍派議員の関係者
「清和会(安倍派)のパーティー券の売り先。何枚売ったかっていうことと、世間で言うところのキックバック。これをもらったか、もらっていないか」
さらに検事から何度も確認されたのが、いわゆる「中抜き」について。関係者がバンキシャ!の取材に派閥内部の実態を語った。
安倍派議員の関係者
「我々の公然の秘密というか」
政治資金パーティーをめぐる問題で、すでに2回検事からの聴取を受けたという安倍派議員の関係者。何度も確認されたというのが…
安倍派議員の関係者
「中抜きをしていないかどうか、探るような質問が多かった」
パーティー券の収入のうち、ノルマを超えた分を派閥が議員側に戻す「キックバック」。それに対しいわゆる「中抜き」は、パーティー券の収入のうち、ノルマ分だけ派閥に支払い、超えた分はそのまま自身の収入にしてしまうことを指す。
このことについて、安倍派議員の関係者は。
―――中抜きしている議員がいたというのは、派閥も把握していて公然のことだったのか?
安倍派議員の関係者
「気がついていたと思います。そういうことやっている人もいるだろうなというのは、我々の公然の秘密」
中抜きしている議員がいたことは安倍派側も気づいていて、“公然の秘密”だったのではないかと証言した。組織的な関与の可能性は他にも…。
これまでの取材で安倍派側は派閥の事務所で議員側に対し、キックバックを現金で手渡していたことがわかっている。
秘書
「受領書を出します」
会計責任者
「受領書はいりません」
「このお金は収支報告書に載せないでください」
関係者によると、安倍派の会計責任者がキックバックのカネを収支報告書に載せないよう話していたという。
実はこのキックバックについて、去年の4月時点で、派閥幹部が気にしていたとうかがわせる出来事が…。
安倍派議員の関係者
「(去年)4月のはじめくらいに、(議員から)『今年は余分に売らなくてもいいから』『今年は戻しはないから』と」
「戻しはない」とは、「キックバックはない」ことだと説明した。
別の関係者によると、去年行われたパーティーのキックバック中止は、派閥幹部らが決めたという。突然の決定。その背景にはいったい何があったのか。
安倍派議員の関係者はこう話した。
安倍派議員の関係者
「安倍さんがやめさせた可能性は高い」
―――高いといえる根拠は?
安倍派議員の関係者
「これだけ続いてきたものを止められる人は会長以外いないと思う」
当時の派閥の会長は、安倍元首相だった。
しかし、別の関係者によるとキックバックの中止について、一部の議員から不満の声が上がり、その後、撤回されたという。
(12月24日放送『真相報道バンキシャ!』より)
◇
12月24日午前8時前、バンキシャ!は東京・赤坂にある衆議院議員宿舎へ。
バンキシャ!
「非常に静かな朝を迎えています」
24日正午過ぎ、そこに現れたのは、自民党・安倍派で最高顧問を務める衛藤征士郎衆議院議員。
衛藤征士郎衆議院議員
「国民の信頼が著しく損なわれたことについては、大変申し訳ない」
―――(バンキシャ!)聴取を受けた議員は身を処すべき?
衛藤征士郎衆議院議員
「捜査の結論を踏まえていないと軽々なことは言えません」
―――ご自身は?
衛藤征士郎衆議院議員は記者の質問に、「別に別に…」と話し、その場から離れました。
◇
東京地検特捜部による自民党・安倍派と二階派事務所への強制捜査。そして、松野前官房長官、萩生田前政調会長、世耕前参院幹事長、高木前国対委員長の安倍派幹部4人が任意の事情聴取を要請されるなど、大きな動きをみせた政治資金パーティーをめぐる問題。
その水面下で本格化しているのが議員たちへの聴取だ。バンキシャ!が取材を進めると、これまでわかっていなかった聴取の中身が見えてきた。
安倍派の議員が事務官に連れられてやってきたのは高級ホテルの客室。待っていた検事による聴取が始まった。
検事
「キックバックの認識はありましたか」
議員
「ありました」
関係者によると、検事から質問されたのは、「裏金だと理解していたか」「政治活動に使ったか」「どう処理したか」「いつどのように受け取ったのか」など主に8つ。この聴取は、3時間かかったという。
複数の関係者によると、別の議員は今月、聴取の前日に事務所のスタッフ総出でリハーサルを行ったという。
秘書
「あすの聴取で、どのようなことを聞かれるか想定問答で確認しましょう」
「私が検事役で質問します」
「政治資金収支報告書に記載しないよう、あなたが指示したんですか」
議員
「いいえ、私は指示していません」
秘書
「私的流用はなかったですか」
議員
「していません」
秘書
「今のお答えはもっと…」
聴取当日。指定された場所は、都内にある高級ホテル。車のナンバーを登録しないと入れない地下駐車場へ。そこで事務官と合流し、検事が待ち受ける部屋に入る。そして…
検事
「政治資金収支報告書に記載しないよう指示したんですか?」
キックバックを収支報告書に記載していないことが問題だとして、その点を中心に聴取が進められたという。さらに聞かれたのは、キックバックで得たカネの使い道。
検事
「政治活動に使いましたか?」
「私的流用はなかったですか?」
◇
議員への聴取が本格的に進む中、バンキシャ!は安倍派議員の関係者に話を聞くことができた。
―――ご自身に捜査の手は及んでいるのでしょうか?
安倍派議員の関係者
「いますね。聴取を受けていますから」
この関係者はすでに2回聴取を受けたという。検事が主に質問してきたというのが…
安倍派議員の関係者
「清和会(安倍派)のパーティー券の売り先。何枚売ったかっていうことと、世間で言うところのキックバック。これをもらったか、もらっていないか」
さらに検事から何度も確認されたのが、いわゆる「中抜き」について。関係者がバンキシャ!の取材に派閥内部の実態を語った。
安倍派議員の関係者
「我々の公然の秘密というか」
政治資金パーティーをめぐる問題で、すでに2回検事からの聴取を受けたという安倍派議員の関係者。何度も確認されたというのが…
安倍派議員の関係者
「中抜きをしていないかどうか、探るような質問が多かった」
パーティー券の収入のうち、ノルマを超えた分を派閥が議員側に戻す「キックバック」。それに対しいわゆる「中抜き」は、パーティー券の収入のうち、ノルマ分だけ派閥に支払い、超えた分はそのまま自身の収入にしてしまうことを指す。
このことについて、安倍派議員の関係者は。
―――中抜きしている議員がいたというのは、派閥も把握していて公然のことだったのか?
安倍派議員の関係者
「気がついていたと思います。そういうことやっている人もいるだろうなというのは、我々の公然の秘密」
中抜きしている議員がいたことは安倍派側も気づいていて、“公然の秘密”だったのではないかと証言した。組織的な関与の可能性は他にも…。
これまでの取材で安倍派側は派閥の事務所で議員側に対し、キックバックを現金で手渡していたことがわかっている。
秘書
「受領書を出します」
会計責任者
「受領書はいりません」
「このお金は収支報告書に載せないでください」
関係者によると、安倍派の会計責任者がキックバックのカネを収支報告書に載せないよう話していたという。
実はこのキックバックについて、去年の4月時点で、派閥幹部が気にしていたとうかがわせる出来事が…。
安倍派議員の関係者
「(去年)4月のはじめくらいに、(議員から)『今年は余分に売らなくてもいいから』『今年は戻しはないから』と」
「戻しはない」とは、「キックバックはない」ことだと説明した。
別の関係者によると、去年行われたパーティーのキックバック中止は、派閥幹部らが決めたという。突然の決定。その背景にはいったい何があったのか。
安倍派議員の関係者はこう話した。
安倍派議員の関係者
「安倍さんがやめさせた可能性は高い」
―――高いといえる根拠は?
安倍派議員の関係者
「これだけ続いてきたものを止められる人は会長以外いないと思う」
当時の派閥の会長は、安倍元首相だった。
しかし、別の関係者によるとキックバックの中止について、一部の議員から不満の声が上がり、その後、撤回されたという。
(12月24日放送『真相報道バンキシャ!』より)