津波遺族“真相解明”“防災教育充実”訴え
東日本大震災の津波により宮城県石巻市内の小学校や幼稚園でわが子を失った遺族が25日、文部科学省で開かれた学校での事故の対応に関する有識者会議に出席した。遺族らは、この悲劇を繰り返さないための真相解明の必要性や防災教育の充実などを訴えた。
25日午後、文部科学省を訪れたのは、石巻市の大川小学校と日和幼稚園で子どもを失った遺族9人。遺族らは児童74人が犠牲になった大川小での悲劇などを受け、去年、学校管理下での事件事故の対応を検証するため設置された有識者会議に出席し、それぞれの意見を述べた。
「守れた命だと思います。守るべき命だったと思います。(これだけの事があって)4年半、重く考えてもらえない対応を強いられてきた」-大川小の児童の遺族の1人・佐藤敏郎さんはこう述べ、「わが子の死の事実を知ろうとしたが曖昧な事後対応によって遺族は二重のダメージを受けた」とも訴え、真相解明に向けた学校側などの対応を厳しく批判した。
また、送迎途中のバスが津波にあい園児5人が犠牲となった日和幼稚園の遺族の1人・佐藤美香さんは、「幼稚園や小・中学校で防災教育を必須科目にしてほしい」などと要望した。
文部科学省では今後、この有識者会議での検討結果などを踏まえ今年度末までに学校での事件事故の対応について指針を策定する方針。