大村教授 地元への恩返しも忘れぬ人柄
今年のノーベル生理学・医学賞が日本時間5日夕方に発表され、北里大学の大村智特別栄誉教授ら3人の受賞が決まった。大村教授とはどんな人物なのか。
大村教授は山梨県韮崎市出身の80歳(1935年生まれ)。山梨大学を卒業後、東京都の定時制高校の教師となり、化学と体育を教えていたという。その後、再び研究者を目指し、東京教育大学(現・筑波大学)、さらに東京理科大学大学院へ。卒業後は北里研究所に入所し、研究者の道を歩んできた。
その功績は国内外で認められ、紫綬褒章など数々の賞を受賞。2012年には文化功労者にも選出されている。
一方で、地元・韮崎市への恩返しも忘れない。大村教授は開発した薬の特許で得た財産で、韮崎市に温泉を掘ったのだという。
大村教授「(Q:なんで掘ろうと思ったんですか?)私が小さいころ、近所のおじさんやおばさんたちに、しかられたり、ほめられたり、はげまされたり。そういう人たちに何かやれることないかなと。思いついたのが温泉。温泉があたれば、みなさん楽しんでいただけて、少しでも恩返しできるかなと」
さらに大村教授は、日本画など5億円相当の美術品のコレクションを市に寄付。2007年に「韮崎大村美術館」が設立され、自ら館長を務めている。
大村教授「芸術作品はみんなで楽しむものだと思う。ここに開くことにしたのは、なんといっても景色。絵と自然の風景、これが合わさった場所に、これができると」