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大村教授 微生物を発見した意外な場所とは

2015年10月6日 3:36
大村教授 微生物を発見した意外な場所とは

 今年のノーベル生理学・医学賞に北里大学の大村智特別栄誉教授ら3人の受賞が決まった。研究を通して、重大な病気から3億人を救っていると言われる大村教授。きっかけはゴルフ場だった。

 日本時間5日午後6時半、スウェーデンの首都・ストックホルムで、ノーベル生理学・医学賞が発表され、北里大学の大村智特別栄誉教授(80)ら3人の受賞が決まった。その発表から2時間後、大村教授が北里大学で会見を開いた。

 大村教授「本日はこのようにお集まりいただき、本当にありがとうございます。私はきょうは、朝出かけるときは、(午後)4時半頃に家に帰るように手はずを整えてきたのですが、秘書がなかなか帰ろうと言わない。帰してくれない。なんかあるのかなと思ったら、秘書はなんか予感したのか知らないが、待つように待つように待つようにと。待っていたらスウェーデンから電話がきて、驚いているところです」「私の仕事は、微生物の力を借りているだけの、私自身がえらいことを考えたり、難しいことをやったのではなく、すべて微生物がやっている仕事を、勉強させていただいたりしながら、今日まできている。そういう意味で、私がこのような賞をいただいていいのかなという気持ち」

 ノーベル生理学・医学賞を選考したカロリンスカ研究所は受賞の理由を、「何億もの人を苦しめた寄生虫による病気の革新的な治療に貢献した」としている。大村教授の研究とはどのようなものなのか。

 その最大の功績は、アフリカを中心に毎年3億人を救う「奇跡の薬」を生み出したことだ。熱帯地域で猛威をふるう「オンコセルカ症」は寄生虫によって引き起こされ、最悪の場合、失明に陥る目の感染症。大村教授は、これに威力を発揮する治療薬を開発した。

 大村教授「人のために少しでもなんか役に立つことはないか、微生物の力を借りて何かできないか、それを絶えず考えております。それが今回のこの受賞につながっているんじゃないかと思っている」

 大村教授が開発する治療薬には、微生物に由来する有機化合物が必要だった。その微生物は、なんとも意外な場所で見つかった。

 大村教授「私がゴルフやりたくて、そういうこと言うわけではなくて、本当にそこから採ってきた土。(Q:ゴルフはお好きなんでしょうか?)好きです」

 静岡県伊東市にあるゴルフ場近くの土壌から採取した菌が、新たな薬を生んだのだ。

 大村教授「(Q:採取したゴルフ場の土は、他の土とどう違ったか)我々が土壌採取で歩くときは、そこで考えられるあらゆる可能性を考えて試料(サンプル)を採る。まずはランダムに、いろんな所を、可能性を広く取りながらやる。土壌から年間2000~4000株、菌を分離していくわけだから、一人でやるのは大変。これをみんなでやるからできる」

 他の感染症の薬を含めると、毎年3億人を救っている大村教授のことを「平成の野口英世」とたたえる声もある。

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