ノーベル賞 大村教授“微生物と亡き妻へ”
北里大学の大村智特別栄誉教授が、寄生虫による病気の治療に貢献したとして、今年のノーベル生理学・医学賞を受賞することが決まった。喜びの会見で語ったのは、微生物と亡き妻への思いだった。
大村教授「人のために少しでもなんか役に立つことないか、微生物の力を借りて何かできないか、それを絶えず考えております。そうしたことが今回の受賞につながったと考えています」「(Q:若い人に言いたいことは?)1回2回失敗したからって、どうってことないよ。若いころはとにかく失敗を繰り返して、やりたいことやりなさい。そう言いたいですね」「一番最初はまず心で、16年前に亡くなった家内に『もらいましたよ』と。何よりも喜んでくれてると思っています」
大村教授は山梨県韮崎市出身の80歳。北里大学や北里研究所で微生物を使った研究を行い、アフリカなどで流行していた寄生虫が引き起こす病気の予防薬や治療薬を開発した。選考にあたったスウェーデンの研究所は「毎年、何億人もが苦しんでいる病気と闘う手段を人類に与えた。その貢献は計り知れない」としている。
日本のノーベル賞受賞者は大村教授で23人目。生理学・医学賞は1987年の利根川進さん、2012年の山中伸弥さんに次いで3人目。