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全国の橋で溶接不良 有識者委が再発防止策

2015年12月23日 5:13

 全国の700本近い橋で、地震の際に落下を防ぐ装置に、溶接不良が相次いで見つかっている問題で、国土交通省の有識者委員会は、再発防止策をまとめた。

 国土交通省は、ことし8月、京都市の「勧進橋」で福井市の久富産業が製造した橋の落下を防止する装置に溶接不良が見つかったことを受け、全国の橋を調査している。その結果、溶接不良が見つかった橋の数は、今月18日の時点で、香川県と長崎県を除く45の都道府県の690本になった。

 このうち433本では、溶接で必要な工程を故意に省いたり、架空の検査報告書を作成したりする不正が確認され、不正に関与した会社も12社に広がっている。

 こうした事態を受け、国交省の有識者委員会は「性善説に立ちすぎていた」として、今後は発注者の自治体に橋の部品の抜き打ち検査を求めるなどの再発防止策をとりまとめた。

 国交省はこうした委員会の提言を踏まえ、不正防止対策の強化のための取り組みを自治体などに通知するとしている。