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環境省試算 除染の土、約9割を再利用可能

2016年3月30日 17:38

 東京電力・福島第一原発事故に伴う除染で出た福島県内の土などの処分について、環境省は30日、技術的には発生量の約9割を再利用できるとする試算とともに、「可能な限り再利用し、最終処分する量を減らす」などとする基本的な方針を正式に取りまとめた。

 政府は、福島県内の除染で出た大量の放射性物質を含む土などを、福島県の大熊町と双葉町にまたがる地域に建設予定の中間貯蔵施設で保管し、30年以内に福島県外で最終処分する方針だが、どこでどのように最終処分するかは、まだ決まっていない。

 除染で出る土は東京ドーム約20杯分、約2200万立方メートルと試算されているが、環境省が30日に取りまとめた方針では、現時点での減容化技術を全て使えば、技術的にはこのうち約9割が放射性物質の濃度が1キログラム当たり8000ベクレル以下となり、再利用できるようになるという。

 環境省は土木工事などの公共事業で可能な限り再利用し、最終処分する量を減らすことを基本方針としていて、来年度以降、再利用のモデル事業を始めたいとしている。ただ、実際に再利用先が見つかるかなど、課題が多く残されている。