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津波で米海岸に流された鳥居、元の場所に

2016年5月2日 18:12
津波で米海岸に流された鳥居、元の場所に

 東日本大震災の津波で青森県八戸市からアメリカ西海岸に流された神社の鳥居が元の場所に建て直され、2日、記念の式典が行われた。

 建て直されたのは八戸市の大久喜漁港にある厳島神社の鳥居。式典には神社や漁港、それにアメリカの関係者100人以上が出席し、漂着した鳥居を保管していたアメリカの文化交流団体の代表スティーブ・ブルームさんが「鳥居の持ち主が見つかったのは本当に奇跡です」と述べた。

 厳島神社では東日本大震災の津波で「笠木」と呼ばれる鳥居の一部がアメリカ・オレゴン州の海岸に流れ着いた。その後、八戸市の高橋利巳さんが厳島神社に奉納したものとわかり、去年10月、地元に返還された。

 高橋さんの息子、政典さん「震災で流されて返していただけるなんて予期していなかったことが、ご親切に返していただいて再建までしていただいて感謝の限りです」

 ポートランド日本庭園、スティーブ・ブルーム代表「ただ、幸せな気持ちしかありません。(笠木が)この長い旅を終えて本当に幸せな気持ちでいっぱいです」

 関係者は新しい鳥居の完成をきっかけに八戸市とオレゴン州の絆が深まることを期待していた。