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月経の悩み、トラブルなくす“後押し”を

2016年9月5日 19:26
月経の悩み、トラブルなくす“後押し”を

 都内で先月、女性のカラダの悩みなどの理解を深めるための、高校生らによるシンポジウムが開かれ、部活中の月経痛への対処法などが議論された。一方、働く女性の月経トラブルは増加傾向にあるという。身近な人にできる“後押し”とは―


■女子高校生の月経トラブル、約82%が「ある」

 先月、都内で女性のカラダの悩みなどについて理解を深めるための高校生たちによるシンポジウムが開かれた。産婦人科医などを交え、部活中の月経痛への対処法など高校生ならではの悩みについて議論がなされた。

 高校生たちのシンポジウム―つまり早いうちに正しい知識を身につけることが狙いだ。女子高校生に行ったアンケートでは、月経にまつわるトラブルを経験したことが「ある」と回答した人が82.5%にのぼったという。


■悩みの相談は誰に?

 月経トラブルの症状というのは様々で、個人差があるが、下腹部痛や腰痛、頭痛に加えて、眠くなる、イライラするなどといった症状がある。

 女子高校生にこうした悩みや疑問について誰に相談するかと聞いたところ、「両親」と回答した人が69.7%。「友人や知人」が28.5%で、身近な家族や友人などに相談するという声が多く聞かれた。一方で、専門医などの医師に相談すると答えた人は、10.3%にとどまった。


■重大な病気が潜んでいることも

 学生だと、婦人科に行くというのは抵抗があるかもしれない。ただ、月経トラブルのうち―

・痛みがひどい
・月経不順
・経血量が非常に多い「過多月経」
・3か月以上月経がこない「無月経」

などは、放っておくと大きな病気につながることもあるため、専門の医師に診てもらうということが大切だ。

 特に月経の痛みがひどい場合には、子宮内膜症の可能性も考えられ、放置して悪化すると、不妊になることもあるという。


■月経トラブル、働く女性に増加傾向

 働く女性の月経トラブルというのは、増加する傾向にある。というのも、月経というのは実はとても体に負担のかかることだが、昔は妊娠や出産の回数が多く、その時期は月経がなかった。ただ最近は、働く女性が増えたことで、時期が以前より遅くなったり、回数も少なくなっているため、その分、月経による負担が大きくなり、トラブルが起きる回数も増えている。つまり、体のケアをより心がける必要がある。

 製薬会社が出している月経にまつわるトラブルのチェックリストがある。20項目以上ある中で、ひとつでも当てはまる人は、一度、婦人科を受診してみるとよいという。自宅でも簡単にチェックできるのが特徴だ。


■トラブルなくす後押しを

 月経というのは、人に話しにくいこともあり、「こんなものかな」と我慢して見過ごすことも多いかと思われる。高校生のシンポジウムに参加した産婦人科の種部恭子医師は、月経トラブルを見過ごさないためには、「まずは、お母さんが自分の婦人科医に一緒に行って、子どもが受診しやすいよう後押しをすることも大切」と話す。

 お母さんやボーイフレンドなど、周りにいる人たちがきちんと理解して気にかけ病院に行くきっかけを作ることで、重大なトラブルを防ぎたいものだ。