他人のiPS網膜移植 初の実施計画を提出
他人のiPS細胞から作った目の網膜細胞を患者に移植する世界で初めてとなる研究について、神戸の病院が実施計画を厚生労働省に提出した。早ければ年明けにも実施される見通し。
神戸市立医療センター中央市民病院は、失明の恐れもある目の難病「加齢黄斑変性」の患者に対して、他人のiPS細胞から作製した目の網膜細胞を移植する臨床研究の計画を厚生労働省に申請した。iPS細胞を使った研究では約2年前に理化学研究所などが世界で初めて患者本人からiPS細胞を作製し、網膜細胞に変化させたシートを移植した。
しかし、患者本人から移植のためのiPS細胞を作ると費用も時間もかかるため、今回の臨床研究では、あらかじめ他人の細胞で作ったiPS細胞を使い、液体状にした網膜細胞を目に移植するという。
この研究は中央市民病院のほか、京大iPS細胞研究所など4つの施設が共同で行い、厚労省の評価部会で認められれば年明け1月か2月には世界で初めて他人のiPS細胞を使った移植が実施される見通し。