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カフェイン摂取、どれくらいで死の危険?

2017年1月6日 19:28
カフェイン摂取、どれくらいで死の危険?

 コーヒーなどに含まれるカフェインによって引き起こされることがあるという「カフェイン中毒」。先月、岐阜県で、30代の男性がカフェイン中毒で死亡していたことがわかった。身近な飲み物に含まれるカフェイン。どれくらい摂取すると、危険なのだろうか。

 先月3日、岐阜県垂井町の山の上で35歳の男性の遺体が発見された。先週、判明した男性の死因は「急性カフェイン中毒」だった。警察は、眠気覚ましのためのカフェインの錠剤を大量に飲んでしまった可能性もあるとみて調べている。

 このニュースが伝わると、ツイッター上ではツイートが急上昇。

「急性カフェイン中毒恐ろしい」
「致死量以上ってコーヒー何杯分なんだろう」
「忙しい皆様も気をつけて」

 取りすぎると死に至ることもあるというカフェイン。「急性カフェイン中毒」とは、どのような症状なのか、専門家は―

 「カフェイン自体はいろんなところに作用します」「消化管に作用して吐き気がしてきたりとか、心臓に働いてドキドキしたり、本当に中毒症状になると、すごくひどい吐き気と頭痛や動悸が出て最後亡くなるときになると心臓が止まってしまったりそういうことが起こる」(名古屋市立大学大学院・薬学研究科・粂和彦教授)

 カフェインの致死量については様々な説があるが、専門家によると短時間で摂取した場合の目安は、3グラムほどだという。200ミリリットルのコーヒー1杯には、約0.12グラムのカフェインが含まれている。

 つまり、致死量の目安である3グラムのカフェインはコーヒー25杯分にあたる。また、市販されている眠気覚まし用の錠剤には、1日の使用量でコーヒー数杯分にあたるカフェインが含まれていることがある。こうした錠剤と合わせて、コーヒーなどのカフェインを一度に摂取することも危険だという。

 「錠剤の場合は必ず1日に何錠飲んで良いというのは書いてあると思います」「注意書きにきちんと従っていただければ安全だと思います」(名古屋市立大学大学院・薬学研究科・粂和彦教授)

 カフェインによる中毒死にはこんなケースも。2015年12月、九州地方の20代の男性がカフェインが含まれたエナジードリンクなどを飲み過ぎたことでカフェイン中毒となり死亡した。

 男性は、24時間営業の店舗に勤務していて眠気覚ましのため日常的にエナジードリンクを飲み、亡くなった日はおう吐したあと、意識を失ったという。遺体からはカフェイン錠剤と見られるものも見つかった。

 こうした中、注目されているのが「カフェインレス」や「デカフェ」をうたった商品。カフェインレスコーヒー豆の輸入量もここ5年で倍以上に増えているという(全日本コーヒー協会調べ)。

 “デカフェ”の商品を販売するコーヒーショップの「タリーズ」。“デカフェ”とは、本来カフェインが含まれるものからカフェインを抜いたものだ。

 「妊婦さん以外でもシニア層の方ですとか、通常のコーヒーも飲むけれども、寝る前のコーヒーだけカフェインレスにしたいって声もありまして(タリーズコーヒージャパン・広報 山口さほりさん)」

 カフェインの過剰摂取で死に至るケースはまれだが、頭痛や吐き気などの中毒症状が現れるということがあるという。そこで、気になるのは1日の目安となる量。実は日本では、1日の基準となる摂取量というのは示されていない。

 そこで、カナダの保健省が示す目安を見てみると、健康な成人で1日あたり摂取して悪影響のないカフェインの最大摂取量は0.4グラムとなっている。これは200ミリリットルのコーヒーで換算すると約3杯半ぐらい。そして、実は薬局で売られている風邪薬や頭痛薬にもカフェインが含まれているものが多くある。

 これらはコーヒー1杯分ほどのカフェインを含んでいるものもあるので回数や量を守り、他の、カフェインが含まれるものと併せて使わないように注意が必要だということだ。