東京都の小池知事が１２日朝、築地市場の豊洲移転延期を決定して以来、初めて築地市場を視察した。

　１２日午前５時すぎに築地市場に到着した小池知事は、マグロや青果のセリの様子を視察して活気を体感した。豊洲への移転延期を決めて以来、早く現場を見て欲しいと訴えてきた市場関係者の要望がようやく実現した形。意見交換では、移転時期が決まらないことや風評被害への不安の声があがった。

　伊藤裕康会長「移転するかしないかというのは、また移転するとすればいつなのか、これらが皆目わからない。不安にかられたちゅうぶらりんな状態なままで、私どもは一体いつまで待てばよいのでしょうか。補償を受けられるならいつまでも待ってもよいと考えているわけではございません。少なくとも今年度中には一定のご判断を」

　小池都知事「タイミングについては一日も早く結論を出したい」

　築地市場協会の伊藤会長が、移転時期について今年度内に一定の判断をするよう求めたのに対し、小池知事は「安全安心の確認を優先させていただきたい」と述べるにとどめた。

　小池知事が移転の判断材料の一つとしている地下水のモニタリング結果は、１４日に示されることになっている。