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“チョコ募金”白血病と闘う少女たちの願い

2017年1月19日 17:41
“チョコ募金”白血病と闘う少女たちの願い

 諏訪中央病院・鎌田實名誉院長は、難民キャンプなどに避難しているイラクやシリアの子どもたちを支援する活動をしている。今回は、毎年恒例となっている「チョコレート募金」について紹介する。

 インターネットなどを通じ、チョコ1缶につき500円募金すると、原価や経費を差し引いた300円ほどがイラクやシリアの子どもたちの薬代やミルク代などに使われることになる。

 缶には毎年、病気と闘う子どもたちに花の絵を描いてもらっている。今回はチューリップを描いてくれたイマーンさん、オリーブの花の絵を描いてくれたローリンさんを紹介する。

 絵を描くのが好きなイマーンさんは、白血病と闘う11歳の女の子。4年前、インドで骨髄移植を受け、手術後は鎌田氏が代表を務めるNPO法人「JIM-NET」が支援し、治療を続けてきた。

 イマーンさんの家族は2015年、過激派組織「イスラム国」の脅威から逃れ、安全な地で白血病の治療に専念するため、トルコからギリシャ経由でドイツへ渡った。現在、白血病の治療は続けているものの、経過は順調でドイツの学校に元気に通っている。

 一方、いまもイラクのシリア人難民キャンプで暮らしている15歳のローリンさん。ローリンさんはシリアで白血病の治療を受けていたが、内戦が激しくなり、イラクへ避難。難民キャンプでの生活は4年目になる。

 ヨーロッパへ渡る難民が多い中、ローリンさんは「ヨーロッパは行きたくないです。シリアでは戦争があるから怖いですし、(安全な)このキャンプにずっといたいです。他は嫌です」と語る。

 ローリンさんが描いたのは「平和」という花言葉を持つオリーブの花。そのチョコを持って先月29日、鎌田さんはイラク・アルビルのショッピングモールで募金活動を行った。この日はローリンさんも駆けつけ、1つ500円ほどで募金を呼びかけたところ、わずか2時間で120個ほどがなくなった。

 チョコ募金などで集まったお金は難民キャンプで暮らす人たちの「生きがいづくり」にも一役かっている。先月27日、イラク・ダラシャクランキャンプで鎌田さんが開いたのは編み物教室。

 毛糸をプレゼントされた女性たちは、みんな夢中になって編み物を楽しんだ。編み上げられた作品は、鎌田さんが支援している小児がんの患者へ届けられた。

 さらに、チョコ募金で集まったお金は、病気と闘う子どもたちのミルク代にも使われる。

 難民キャンプで頭に障害のある3歳の女の子を訪問した鎌田氏。難民キャンプでは安定した仕事がないため、治療費だけでなく、ミルク代にも困っているという女の子の父親に、鎌田さんから粉ミルクが渡された。自分たちが生きていくことさえ難しい難民キャンプで、この夫婦は、病気の子どもを育てながら懸命に暮らしていた。

 鎌田氏は10年以上、イラクの子どもたちを中心に支援を続けてきているが、自らの無力さを感じて言葉を失ってしまったという。イラクやシリアの人たちの中には、ヨーロッパへ渡る人たちもいるが、残る人たちもいる。そういった人たちへの支援は欠かすことはできない。

 せめて平和が訪れるまで、少しでも彼らの支援を続けていきたいと思う。