「記憶にない」繰り返す…石原氏発言を解説
豊洲移転問題を調査する東京都議会の百条委員会で、石原慎太郎元知事の証人喚問が行われ移転決定の経緯や土壌汚染について証言した。石原氏の発言とポイントについて日本テレビ社会部・勝田真司デスクが解説する。
■豊洲移転は本当に「既定路線」だったのか?
――20日の石原氏への証人喚問で何が分かったのか?
新しい事実は出てこず、20日の証人喚問で真相には迫れることはできなかった。石原氏は、豊洲への移転は既定路線で「青島知事からの引き継ぎ事項の中にあった」と述べた。
この点だが、今回の百条委員会に伴い、都は資料を開示していて、その中には、この「引き継ぎ事項」の内容や石原氏と都幹部で行った議論の記録がある。それを読むと、豊洲への移転と築地の再整備などが並行して検討されている。
証人喚問を受けた当時の部下も既定路線ではなかったと証言。知事に就任した18年前のこととはいえ、石原氏の記憶はあいまいで、事実誤認もあると言えそうだ。
■巨額の負担判断「覚えていない」
――石原氏は今回、「記憶がない」「覚えてない」という言葉を繰り返していたが。
6年前、2011年に東京ガスに追加の費用負担を求めない契約については、その直前に、部下が石原氏に説明した資料が残され、当時の部下も報告したと証言している。この事実についても「覚えていない」と改めて証言した。
また、調査をする側の都議会各会派の追及も低調で、巨額の負担につながる判断がどのようにされたのか?という点は分からないままだった。
■真相究明は困難に
――これまで4日間にわたり、証人喚問が行われたが、その結果をどう評価するか。
石原氏のもとで、交渉に関わった都の幹部や東京ガスの幹部が証言し、残されている資料、記録も開示されましたが、肝心要の石原氏が「記憶にない」としているので、豊洲への移転で、どういう意思決定があったのか。という点での真相究明は、極めて難しくなったといえそうだ。
■「部下任せ」が混乱の引き金に?
一方、意思決定の構図は浮き彫りになった。石原氏は、交渉は「部下に任せていた」とし、石原氏が交渉役に指名した浜渦元副知事は、土壌汚染は「東京ガスがキレイにすることで合意していた」とし、その後、都が負担することになったのを「役人が勝手な事をしてくれた」と証言した。
つまり、都のトップだった石原氏や浜渦氏は、「移転すること」だけを決めて、土壌汚染の対策など詰めの交渉はほぼ部下の都の職員任せにしていたわけだ。一方で、石原氏は20日の証人喚問で、「私は関心があったことは自分自身でコミットしていた。それが行政の責任者の当たり前の姿勢じゃないか」と述べているので、部下任せの姿勢が、その後の費用負担の増加やいまの移転問題の混乱につながったといえそうだ。
■豊洲移転は本当に「既定路線」だったのか?
――20日の石原氏への証人喚問で何が分かったのか?
新しい事実は出てこず、20日の証人喚問で真相には迫れることはできなかった。石原氏は、豊洲への移転は既定路線で「青島知事からの引き継ぎ事項の中にあった」と述べた。
この点だが、今回の百条委員会に伴い、都は資料を開示していて、その中には、この「引き継ぎ事項」の内容や石原氏と都幹部で行った議論の記録がある。それを読むと、豊洲への移転と築地の再整備などが並行して検討されている。
証人喚問を受けた当時の部下も既定路線ではなかったと証言。知事に就任した18年前のこととはいえ、石原氏の記憶はあいまいで、事実誤認もあると言えそうだ。
■巨額の負担判断「覚えていない」
――石原氏は今回、「記憶がない」「覚えてない」という言葉を繰り返していたが。
6年前、2011年に東京ガスに追加の費用負担を求めない契約については、その直前に、部下が石原氏に説明した資料が残され、当時の部下も報告したと証言している。この事実についても「覚えていない」と改めて証言した。
また、調査をする側の都議会各会派の追及も低調で、巨額の負担につながる判断がどのようにされたのか?という点は分からないままだった。
■真相究明は困難に
――これまで4日間にわたり、証人喚問が行われたが、その結果をどう評価するか。
石原氏のもとで、交渉に関わった都の幹部や東京ガスの幹部が証言し、残されている資料、記録も開示されましたが、肝心要の石原氏が「記憶にない」としているので、豊洲への移転で、どういう意思決定があったのか。という点での真相究明は、極めて難しくなったといえそうだ。
■「部下任せ」が混乱の引き金に?
一方、意思決定の構図は浮き彫りになった。石原氏は、交渉は「部下に任せていた」とし、石原氏が交渉役に指名した浜渦元副知事は、土壌汚染は「東京ガスがキレイにすることで合意していた」とし、その後、都が負担することになったのを「役人が勝手な事をしてくれた」と証言した。
つまり、都のトップだった石原氏や浜渦氏は、「移転すること」だけを決めて、土壌汚染の対策など詰めの交渉はほぼ部下の都の職員任せにしていたわけだ。一方で、石原氏は20日の証人喚問で、「私は関心があったことは自分自身でコミットしていた。それが行政の責任者の当たり前の姿勢じゃないか」と述べているので、部下任せの姿勢が、その後の費用負担の増加やいまの移転問題の混乱につながったといえそうだ。