【解説】「こども家庭庁」その役割は? 孤独を感じやすい「未就園児の親」をサポートへ
政府が来年4月の設置を目指す「こども家庭庁」、どんなことをする組織なのか。
◇未就園児182万人
◇「逃げ場がない」
◇新たなモデル
以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。
「こども家庭庁」とはどんな組織なのか。これまで、こどもに関する政策は様々な組織にまたがって行われていました。
厚生労働省が所管する保育所や虐待防止、母子保護、内閣府が所管する「認定こども園」や子供の貧困対策、児童手当、こうしたものがそのまま、「こども家庭庁」に移管されます。文部科学省でやっている幼稚園やいじめ対策は移管されませんが、連携して行うことになります。
「こども家庭庁」は、こども政策のいわば司令塔になるわけです。
「こども家庭庁」の来年度予算としての概算要求が、「4兆7510億円」。この予算を使って、何をするのかが見えてきました。
・保育所の空きを利用して、保育所や幼稚園に通っていない「未就園児」を定期的に預かるモデル事業を実施
・いじめ問題について、学校の外からのアプローチとして「いじめ調査アドバイザー」を導入し、自治体に助言を行う事業
などが柱になっています。
1つ目の、「未就園児」への支援についてですが、そもそも「未就園児」とは、保育所は0歳から、幼稚園は満3歳から入園ができますが、通っていない子供のことを指しています。
今、この「未就園児」(0~5歳)は全国で182万人いますが、このうち、0歳から2歳までが約97%となっています。この年齢が通う保育所は、現在の制度では親が仕事をしているなど、保育の必要性が認められないと利用できないので、専業主婦世帯では基本的に利用できません。
小さい子供を持つ親は、どんな悩みがあるのか聞いてみました。
3歳の子供を持つ主婦(30代)
「やっぱり自分の時間が持てないので、ちょっとストレスがたまりやすくなるのかなと。ちょっとしんどくなる時というのは、どうしてもあるので」
2歳の子供を持つ主婦(30代)
「子どもと一緒にいるとストレスたまったりするので、リフレッシュするためにも、そういうの(未就園児の預かり)ありがたいですね」
子育てが終わった世代からは、このような声も聞かれました。
主婦(50代)
「私が子ども小さいときはご近所で預ける。まだ今よりは多少はあったかな。近所のおばあちゃんがいたりすると、預かってもらったりはありましたけど、今はないですよね」
子育て支援などに取り組む「認定NPO法人フローレンス」によると、このような声もありました。
3人の子供を持つお母さん
「1日中、3人を1人で見ていた。気が狂いそうで、窓から飛び降りたい日が何日もあった」
双子のお母さん
「ほとんどワンオペで、体力的にも気力的にもたくさんは外に連れ出せず、逃げ場がないのでしんどいです」