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女子生徒に“スラックス”制服多様化のワケ

2019年3月20日 19:16
女子生徒に“スラックス”制服多様化のワケ

学生服といえば、女子はスカート姿というこれまでの常識が今、変わりつつある。女子学生が男子と同じスラックスを選べる学校が増えているという。背景に何があるのだろうか。

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■今年導入の高校では女子生徒の2割が購入

長崎県諫早市の県立西陵高校。春休みを目前に、生徒たちは真剣な表情で授業に取り組む。その制服をよく見ると、スカートではなくスラックスをはいている女子生徒がいた。この高校では今年の1月から、女子の制服として、スカートのほかにスラックスも選べるようになった。

スラックスを買った生徒「朝とか帰りが寒いので、ズボンだったら暖かいと思って買いました」「スカートよりも動きやすいし、スカートが広がるのを気にしなくていいので楽です」「普段着があまりスカートをはかなくて、ズボンとかカジュアルな格好が多いので、はいてみたいと思いました」

学校側の予想を超えて、女子生徒の2割にあたる66人が購入したというスラックス。なぜ導入を決めたのだろうか。

生徒指導部・百枝貴志教諭「今年度初めに提案してですね。固定観念を払って、女子にもズボンをはいてもらおうと。多様な制服の選択ができるようにというのが第一ですね。あとは防寒対策と、性的被害の未然防止、自転車通学者がいるのでそれの配慮」

女子生徒たちも、この決断を歓迎していた。

女子生徒「女子はスカートとか決まってなくていいと思います」

スカートとスラックス、どちらも選べるようにする動きは全国で広がっている。東京・八王子市の都立高校では、去年4月に入学した女子向けにスラックスを導入。性別にとらわれず選択できるようにしたという。


■多様化する制服…男子がスカート可の中学校も

千葉県柏市の市立中学校でも、女子用のスラックスが導入された。男子がスカートやリボンを選ぶこともでき、学校側は「自由に組み合わせて着てほしい」としている。

制服を選ぶ自由。その背景には、こんな配慮も。文部科学省は4年前、性同一性障害などの子どもについて、それぞれが認識する性別の制服着用を認めるなど、対応への配慮を求める通知を全国の学校に出した。これをきっかけに、性別に関係なく選べる制服が広がっているという。

学生服大手のトンボに聞いた。

トンボ・スクール商品開発課 奥野あゆみさん「弊社の取り扱いの学校で、今年からスラックスを採用した学校は昨年と比べると約2倍、2年前と比べると約3.5倍増えています」

現在、女子用のスラックスを300校近くに納入しているという。

トンボ・スクール商品開発課 奥野あゆみさん「性的マイノリティーの生徒だけではなく、子どもたちは時代の背景によって、抱えている悩みはいろいろ違っているので、そういったところに配慮した支援をできれば」

ニーズに合わせて多様化する制服。生徒たちが自分らしくいられるよう、今後も普及が進むとみられている。

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