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「宇宙で地産地消」の技術進めば、地球でも

2019年3月28日 17:54
「宇宙で地産地消」の技術進めば、地球でも

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「宇宙で地産地消」。JAXAで新規事業の開発を担当する菊池優太氏に聞いた。

JAXAなどは、宇宙や地上での食料の生産・供給の課題解決やマーケットの創出をめざす「Space Food X」プログラムをスタート。月面での地産地消を想定した「月面ディナー1.0」を発表した。メニューは、培養肉によるステーキ、藻類のスープ、水耕栽培の野菜のサラダなどだ。

月など宇宙で育てたものを現地で食べるこのシステムは、2040年の実現に向け、関係企業と共に技術開発などを進めていくとしている。

ネット上ではこんな意見が見られた。

「味はどうなのかな?」
「宇宙空間で生産できれば、地球上どこでもできる」
「SFだった月での生活が本当になるんだ」


――この話題について菊池さんにフリップを書いていただきました。

「宇宙と地球のデュアルユース型」です。

これは宇宙ビジネスの中でも新しい取り組みだと思います。特に日本は優秀な食文化を持っていますので、何かオリジナルなものを出せるのではないかと思っています。そして“宇宙と地球のデュアルユース”といって、この技術が進めば、宇宙のためだけではなくて地球のためにもなるのではないかと考えています。

そのポイントですが、食べるということに関しては、私たちはおいしいものを食べたい、ちゃんと栄養をとりたい、場合によっては、忙しいので手短に食べたいなど、色々なニーズがあると思います。
1週間ですと21食ありますが、それを一つ一つどのように食べていくか。これは宇宙で食べるときも、地球で食べるときもそういったニーズは同じなわけですよね。ただ食べる環境が違うので、宇宙食というものがこれまで開発されてきたわけです。

いま、国際宇宙ステーションというのは、だいたい半年間くらい宇宙飛行士が滞在しますが、これから月や火星をめざしていくとき、例えば火星だと、片道に8か月くらいかかります。映画でも5年間という表現のされかたもありました。

そうなるとすべてを持って行くというのはかなり難しい。輸送コストもあるので、宇宙で食べ物を作ってしまおうと。ただ極限環境なので色々と制約があります。なるべく効率性の高いものがいい、現地の素材を使ったものでやるとか。

そこで作った物というのが、実は地球でもフードロスの問題や、将来的に地球の人口が増えて食料が足りなくなるのではないのかなど、色々な問題があるので、そういったところでかえってくる。本当に“食”というキーワードで宇宙も地球もつながれるのではないかと思っています。

――だから、月面での“地産地消”ということになるのですね。

僕たちは“月産月消”、月で生産して、月で消化するという言葉も使っています。

――被災地などでもすごく活用できそうですね。

いわゆる極限環境、過酷な環境のことでいうと、国内では被災地での問題でもありますし、世界では食料で苦しんでいる地域もありますので、そういうところに還元していけるのではないかと。これは、宇宙開発としても新しい取り組みではないかと思っています。

――宇宙ビジネスに期待していきたいですね。

【the SOCIAL opinionsより】

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