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新たな依存症「ゲーム障害」から子供を守る

2019年5月31日 21:18
新たな依存症「ゲーム障害」から子供を守る

WHO(=世界保健機関)は今月、ゲームをやめられずに長時間行ってしまう「ゲーム障害」を新たな依存症に認定した。このゲーム障害でクリニックに相談にくる人は、中学生や高校生が圧倒的に多いという。子どもたちをゲーム依存から守るにはどうしたらよいのだろうか。

Qゲームについて

大学生「寝不足でよく(講義を)休んじゃったりすることはあります」「一時期、狂ったようにやってました。(画面に)矢印みたいなのがこういう、なんかあるんですけど、(ゲームを)やりすぎて現実世界にもみえるようになっちゃう」「ゲームやる時間は自分で考えてやった方がいい」

そのゲームをめぐり、WHO(=世界保健機関)で、生活に支障が出るほどゲームに没頭する「ゲーム障害」が新たな依存症に認定された。

~「ゲーム障害」ネットの声~

「え?ゲーム障害って何?」
「ゲーム障害だから早く帰ってゲームしたい」
「子どもたちにはこうなってほしくない」

生活に身近なゲーム。どのように向き合っていけばいいのだろうか?

   ◇

都内に住む会社員の女性。コントローラーを握り表情は真剣そのもの。

会社員(Q長いときだとどの位ゲームをやる?)「5時間ぐらい」

平日でも仕事終わりにゲームをするという。

会社員(Qゲームにのめり込んでしまう理由は?)「楽しさ」(Qゲームやっててどういうときが楽しい?)「勝ったときですかね」

小学校低学年のときからゲームをするようになったという。ゲームに熱中する女性は街でも。

ゲームに熱中している女性「休日は結構。もう半日くらいやることはあります」「気づいたら夜みたいな」

娯楽として適度に遊ぶ分には当てはまらないが、今月25日、WHOが病気として認定したゲーム障害。

■ゲームをする時間や頻度をコントロールできない
■日常生活で他の活動を差し置いて、ゲームを優先してしまう
■悪影響が出ているのにゲームを続け、さらにのめり込む

3つの症状が1年以上継続するとゲームへ依存しているとして今後、治療が必要な病気と診断されるようになる。

周愛荒川メンタルクリニックでは、これまでに多くのゲーム依存の人をカウンセリングしてきた。その多くは…。

精神保健福祉士・八木眞佐彦さん「(カウンセリングを受けた方は)中学生高校生が圧倒的に多いです。ネットゲーム依存が必要になっているということは、背景に何らかの心的苦痛を抱えている」

過剰なお受験や、いじめといった悩みなどつらいことを忘れるために、ゲームにのめり込む子どもが多いという。

精神保健福祉士・八木眞佐彦さん(Qどうやって依存から回復していく?)「まず(ゲームを)やめさせるありきっていう方針はやめてください。ネットゲーム依存は心のSOS。そういうふうにうけとめていただけると」

ゲーム自体が悪いのではなく、依存へと導いてしまう環境を見直すことが重要だという。

   ◇

また一方で、こうした問題も。

大学生「ずっと携帯でゲームしすぎて、ぱっと見たら真っ白みたいな。やばい、やばい、やばい、みたいな」「とにかくぼやけてるんですよ。視力が弱くなったような感じで」

いまや手軽にスマホでも楽しむことができるゲーム。しかし、スマホなどを見過ぎた場合、ある病気になる可能性が指摘されている。

“ICT機器の過剰使用により斜視の発症や増悪をきたす可能性があり、使用法に十分注意が必要と考えた”

国立成育医療研究センターの研究グループは、論文で、右目と左目で目の位置が変わる、斜視になる可能性があると指摘している。対策については。

日本弱視斜視学会理事長・浜松医科大学・佐藤美保病院教授「近くのものを長時間みているということが悪いと思っているので、距離を30センチ以上離す。30分ぐらい見たら、5分~10分は一度目を離して遠くのものを見るのが、有効なんじゃないかなと思っています」

健康へ注意が必要なゲーム。ゲームメーカー各社は、健康被害を防ぐため、1時間ごとに10分の休憩をいれることなどを呼びかけている。

また、ゲーム障害に関しては、4つのゲームメーカーなどの業界団体が効果的な対策の模索をすることを目的に、外部の研究会に調査研究を委託している。

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