エスカレーターにリンゴばらまく真の狙いは
先月、東京の六本木ヒルズに新しいアート作品が期間限定で展示された。「エスカレーターミュージアム」と名付けられた作品、どんな作品のだろうか?
六本木アートナイトでお披露目された「エスカレーターミュージアム」というアート作品がある。重力に従い坂から転げ落ちるリンゴを様々な角度から描いている。エスカレーターの動きを利用して立ち止まったまま作品を見ることができる。
クリエーターの福澤貴之さん「美術館は作品の前に人がたまり、見たい作品が見れないという問題があるが、エスカレーターは自動的に動くものですから、みんなが平等に見ることができる」
と言いながら、作品の真の狙いは別にあった。
福澤さん「今申し上げたのは、実は建前で裏コンセプトを設けています」
それがエスカレーターの片側歩行を解決することだった。近年、エスカレーターでの歩行は、接触による転落などの事故が増加傾向にあり問題視されている。作品を置くことで、自然と立ち止まる状況を作り問題解決しようという試みだ。
福澤さん「命令されるのは誰しも嫌だと思うんですよね。今まで良いとされたことを急にやめようとか、習慣を変えることは難しい」
作者の福澤さんたちは、膠着(こうちゃく)化する社会課題を解決する手段のひとつとしてアート作品に意義を見出している。
福澤さん「見方を変えて社会課題に対して、それを課題と思わないように自発的に改善が望めるようなことを裏でこっそりしかけていく、そんなことが出来たら良いと思う」
【the SOCIAL viewより】