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「虐待、いじめ」最新技術で子どもを守る

2019年7月14日 15:02
「虐待、いじめ」最新技術で子どもを守る

児童虐待の相談件数は増え続け、また、いじめの認知件数も急増している。そんな状況の中、最新技術を使って子どもを守ろうという取り組みが始まっている。

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三重県にある児童相談所で今月、人工知能(=AI)を使った日本初の実験が始まった。

職員たちが入力しているのは、子どもの年齢や性別、ケガなどの情報。実は、タブレットは、三重県の児童相談所が過去6年間に扱った虐待事案、およそ6000件のデータベースとつながっている。

職員が入力した情報をもとに、AIが過去の虐待事案から似たようなケースを選びだし、虐待の可能性を推測し、虐待が深刻化する前に子どもを救うことが期待されている。

また、三重県の児童相談センターの職員の4分の1以上は経験が浅い30歳未満が占めているため、過去の情報を活用することで経験の浅さから来る判断ミスをいかに防ぐかも課題になっている。

産業技術総合研究所・髙岡昂太研究員「これから入ってくる経験の浅い方でも、知見を引き継げたり、最新の知見をもとに対応方針を検討できるような形で使ってもらえることを目指す」

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一方、いじめを、技術を使って防ごうという取り組みも行われている。

子ども見守りアプリは、LINEなどから子どものスマホに送信されたメッセージの中にいじめにつながる言葉があると、そのキーワードのみを親のスマホに通知するという。

このアプリの運営会社の協力で、実際にこのサービスを使っている親子を訪ねた。

フィリー利用者「“死にたい”っていうのが何回かでてきたんですけど、実際のトーク内容を見てみると、全然たわいもない映画の題名だったり、いじめにつながるようなものではなかったので、安心しました」

しかし、引き続きいじめにつながる可能性のある言葉を検知できるこの仕組みを使って子どもを見守っていきたいという。

なくならない虐待やいじめ。より確実に子どもたちを守ろうと最新技術の活用が進められている。