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インフルエンザ「流行中」 初の事態…収束しないまま“新シーズン”に 実は冬だけの病気じゃない? 【#みんなのギモン】

2023年9月11日 20:37
インフルエンザ「流行中」 初の事態…収束しないまま“新シーズン”に 実は冬だけの病気じゃない? 【#みんなのギモン】

夏休みが明け、インフルエンザが流行しています。なぜ、今なのでしょうか。次のポイントを中心に詳しく解説します。

●初の事態 なぜ収束しない?
●“Wパンチ” インフルエンザ今後は?

■インフルエンザ 一般的には3~4月には収束なのに…

厚生労働省によると、全国のインフルエンザの感染者数は、今月3日までの1週間で1医療機関あたり2.56人でした。

インフルエンザは、1医療機関あたり1週間で1人を超えると「流行」とされます。東京で2.96人、千葉や三重、福岡では4人を超えていて、沖縄では9.41人など、ほとんどの都道府県で1人を超えています。

まさに今、インフルエンザの「流行中」ということになるわけですが、例年より明らかに早いようにも見えます。今回の流行には、特徴があります。

実は、去年の12月25日までの1週間に1医療機関あたり1.24人となり「流行」となったあと、今年2月にピークを迎えました。春に下がったものの、一度も「1人」を下回っていないまま今に至るのです。

つまり、去年の12月から流行が収束していないことになります。

インフルエンザは一般的には11月ごろから感染者が増えて、1、2月にピークを迎え、3月から4月には収束することが多いです。

厚労省は今年、9月4日以降を“新しいシーズン”として集計しています。前回の流行が収束しないまま次のシーズンに入るのは、現在の集計方法になった1999年以降、初めてのことです。

■学級閉鎖も増加 そもそも冬だけの病気じゃない?

夏休み明けから、学級閉鎖も増えています。

日本学校保健会によると、登録されている約4万の保育所や幼稚園、学校などのうち、多くの学校で2学期が始まった9月1日には42クラスが学級閉鎖となっていました。そして、11日は136クラスと、約3倍にまで増加しました。

子どもの感染が9月に入りますます増えていることを示しています。子どもが感染すると、親など同居の家族も心配な状況になります。

なぜ今、インフルエンザの患者数がこれほど増えたのか、感染症・呼吸器疾患が専門の日比谷クリニック・加藤哲朗副院長に聞きました。

1つは、新型コロナウイルスの感染対策をしっかりしていた2020年から2022年はインフルエンザの患者数は少なかったので、その分、免疫を持った人も少なかったことがあります。

そんな中、今年になってマスク着用の緩和がされるなどしたことで、結果としてインフルエンザの患者数が増えたことが考えられるといいます。

もう1つの理由は、新型コロナ以前は夏にインフルエンザの検査を行うことがほとんどなかったことがあります。今は、発熱した患者が来院すると、検査の一環で新型コロナだけでなくインフルエンザも同時に調べることが多いといい、それで結果として診断がついてしまったのではないかといいます。

元々、インフルエンザは冬だけの病気ではなく、実は通年、存在しているものです。つまり、検査によってこれまで見えていなかった数字があぶり出されたのかもしれないという見方もあります。

■新型コロナも…“Wパンチ” ピークはいつ?

インフルエンザに加えて今、新型コロナも全国的に増加傾向が続いています。

厚労省によると、全国の新型コロナの感染者は、今月3日までの1週間で1医療機関あたり20.50人でした。これは、前の週の約1.07倍となり、3週連続で増加しています。

厚労省は「夏休みが明け、学校が再開した影響などが考えられる」としています。日本学校保健会によると、11日は293クラスが学級閉鎖に追い込まれています。

インフルとコロナの“Wパンチ”となるわけですが、インフルエンザの流行は今後、どうなるのでしょうか。

加藤医師によると、患者数は今よりもっと増えていくのではないかといいます。ピークの予想は難しいということですが、例年通り1月から2月になるのではないかということです。

気になる流行の規模は、どうなりそうなのでしょうか。

最近は海外からの旅行者も増えていますし、イベントなどもコロナ禍前のように通常に戻ってきていることから、人が集まる機会も増えています。

過去3年間の流行が少なかったこともあわせて考慮すると、コロナ禍の前、2019年に猛威をふるい、1医療機関あたり57.18人の感染者が出ていた時に匹敵する可能性があるということです。

■ワクチン 早く打てばいいというものではなく…

対策について見ていきます。

インフルエンザ対策に有効なワクチン接種は例年、10月から接種ができるようになります。そもそもワクチンは接種後、2週間から1か月ほどで効果が出始めて、効き目は半年ぐらい続きます。そのため、逆算して10月、11月ごろに1回接種すればいいわけです。

今年はワクチンを「早めに打ちたい」という人もいるかもしれませんが、効き目の長さを考えると単純に早く打てばいいというものでもありません。

また、メーカーも例年の流行期に合わせて製造しているので、それまでの間は別の方法で対応することになります。ただ、それは決して特別な方法ではありません。

●手洗いをしっかりする
●マスクをつける

皆がマスクをつけるのは現実的ではないので、症状がある人が他の人にうつさないように着用する、という意味だといいます。

    ◇

各職場、学校で感染者が増えていると思われますが、体調が優れない時は無理をしないということも大切です。

(2023年9月11日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

●あなたの身の回りの怒りやギモンをお寄せください。

お寄せいただいた情報をもとに日本テレビ報道局が調査・取材します。

#みんなのギモン

https://www.ntv.co.jp/provideinformation/houdou.htm

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