ダイハツ不正問題 中古車販売店やユーザーは… 国交省が立ち入り検査
ダイハツ工業が車両の安全性を確認する認証試験で不正を行っていた問題で、国交省はダイハツ本社に立ち入り検査に入りました。出荷停止を受け影響が広がる中、中古車販売店やユーザーからは困惑の声が聞かれました。
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21日、大分県中津市は雪に見舞われました。昨年度、グループトップの車の生産台数を誇る「ダイハツ九州 大分工場」があります。取材時は稼働していましたが、4日後のクリスマスをもって車の生産停止が決まりました。
自らの不祥事によって、国の内外、全てのダイハツ車が出荷停止となった「ダイハツ工業」。それでも街には、ダイハツの車が走っていました。生活に欠かせないものになっています。
ユーザーに話を聞きました。
――購入したのはいつ?
ダイハツ車ユーザー(70代)
「今年の6月です。まだ何か月もたってません。ダイハツが? まさか!?って感じ。なおさら気をつけて乗らないといけないなと」
困惑の声は、ダイハツ車を扱う中古車販売店からも聞かれました。
Kプロデュースナイス・第一営業部 小倉将太部長
「流通量のところですよね、比較的少なくなるんじゃないか。1台1台、丁寧に説明しながら販売・提案しないといけない」
軽自動車の新車の国内販売数トップを誇るトヨタグループ「ダイハツ工業」。生産する64車種について、安全性を確認する試験での不正行為が発覚しました。試験を行った際に、ダイハツは不正行為をしたといいます。
第三者委員会の調査では「やむにやまれぬ状況に追い込まれて不正行為に及んだ」としています。ダイハツに根付いていたのは、「過度にタイトな開発スケジュール」に「合格して当たり前」の意識です。そこから生まれた「極度のプレッシャー」が、不正行為に手を染めたきっかけでした。
ダイハツ本社がある大阪・池田市で話を聞くと――
ダイハツ車ユーザー
「どういう不正があったのか、乗っている車が大丈夫なのか」
「調べてみる必要はありますね」
国も動き出しています。
記者(21日午前9時ごろ)
「ダイハツの本社へ国土交通省の職員が立ち入り調査に入ります」
ダイハツ本社に立ち入り検査に入った国土交通省。従業員への聞き取りなどを行い、これまでに発覚している以外にも不正がないか調べます。
ダイハツ工業 井出慶太広報渉外担当
「お客様の信頼を裏切ることになりましたことを改めて深くおわび申し上げます、申し訳ございませんでした。当局の目で私どもの中身を見ていただくことは必要な措置。全面的に協力して一日も早い信頼回復に取り組みたい」
国土交通省は、ダイハツが現在、生産している全車種の安全面などを技術的に検査するとしています。道路運送車両法に基づいて行政処分を検討する方針です。