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行動制限ないお盆休み 発熱外来「かなりパンクしている状態」 沖縄では観光客が多数“感染”

2022年8月16日 19:08
行動制限ないお盆休み 発熱外来「かなりパンクしている状態」 沖縄では観光客が多数“感染”

行動制限がない今年のお盆休み。休み中も診察を行っている都内のクリニックでは、発熱外来の患者が増えても、すべての問い合わせに対応できない状況だといいます。また、観光地で感染が確認されるケースが相次ぎ、沖縄本島では病床使用率が100%を超える“異常事態”となっています。

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16日午後、東京・新橋にあるPCR検査センターには、次々と人が入っていきました。検査前に外で問診票を書く人の姿が見られました。

PCR検査を受けた人
「地元・仙台の方で仕事するのに戻るために、きょう、検査を受けにきた。お盆期間中は都内にずっといて、戻るから一応、検査をして帰ろうかなと」

「仕事に行く前に、コロナが陽性じゃないかということを確認して出社できればと思って」

お盆休みを終え、自主的に検査を受けに来ている人がいました。

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東京・北区にあるクリニックでは、お盆休みの期間は100件を超える問い合わせがあるといいます。そのワケは――

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道先生
「周辺の病院や、かかりつけの病院もほとんど閉まっているので」

かかりつけの病院に行けず、お盆休みでも診療を行うこのクリニックに患者が殺到しているといいます。和歌山に旅行に行ったという40代の男性は――

男性(40代)
「最初は疲れかなっていうくらい、すごくだるくて、のどの痛みと鼻水が出る」

その後、検査を行い、男性は陽性と診断されました。発熱外来の患者は、お盆の前の週に比べて1.5倍ほどに増えているといいます。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道先生
「かなりパンクしている状態で、特に発熱外来は全員の患者を診きれないという状況。対応しきれない」

問い合わせがあった7分の1ほどしか診療できない状況だといいます。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道先生
「今年は行動制限がないということで、やむを得ないと思うんですけど…」

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行動制限がないお盆休み。16日、沖縄県の国際通りには、スーツケースを引いて歩く観光客の姿がありました。ただ、深刻なのが、沖縄県の救急病院です。

豊見城市にある救急病院は、連日、陽性患者を受け入れていて、16日午前の時点で24床あるコロナの一般病床は20床が埋まり、ほぼ満床状態。重症者の病床も4床のうち3床が埋まっている状態でした。

沖縄県全体での病床使用率は、16日午後4時時点で91.2%、本島に限っては100.5%と100%を超える“異常事態”になっています。

前述の救急病院では15日午後、問い合わせの電話に職員が「今、受け入れられる病床がないので…ちょっとしばらく救急車内で待っていてもらっても大丈夫ですか?」と答えていました。

通常医療も困難な状況になっています。さらに、今月に入り、観光客の陽性者が毎日のように確認されているといいます。

友愛医療センター 救急科部長・山内素直医師
「8月に入って、やはり観光客の方も増えていまして、コロナ陽性となる観光客の方も増えました」
「コロナ陽性とわかった観光客の場合は、入院が必要なくても(宿泊療養施設に)隔離をしなくてはいけない」

沖縄県によると、16日時点で県内の宿泊療養施設は4分の1ほどが県外の人で埋まっているといいます。中でも、宮古島市は約6割、石垣市は8割ほどが観光客で埋まっているといいます。

友愛医療センター 救急科部長・山内素直医師
「本当にいたるところで地域の医療体制が崩壊してしまっているんですね。今、何が起こっているかを知ってほしい」