「スポーツにおける復興支援」にできること
知っておきたいデータや情報をひもとく「input」。今回は「NPBベースボールフェスタin浪江町 十日市祭」。元ハンドボール日本代表でキャプテンを務めた東俊介氏に聞きました。
今週末、福島県の浪江町で十日市祭というお祭りが行われますが、その中で、東日本大震災復興支援事業として「NPBベースボールフェスタ」が行われます。去年は地元・福島県出身のプロ野球OB中畑清さんがトークショーを行い、住民の方も笑顔に包まれました。
――今年は、なんと昨日世界一に輝きました「侍JAPAN」のコーチングスタッフが登場する予定ということなんですよ。
えー。つい昨日、なった人たちが!すごいなー!
――小さなお子さんから高齢の方が楽しめる催しがたくさんあるんですけれども。2012年から復興支援を続けている日本野球機構で、去年からはこの浪江町十日市祭にこだわって、ベースボールフェスタ行っているんですね。といいますのも、この十日市祭のために多くの町民が地元に戻って心を一つにする、そういった重要な意味を持つお祭りでもあるということで、野球の力、スポーツの力で浪江町の皆さん、福島の皆さんをもり立てたい、そんな思いが込められたベースボールフェスタなんですね。
僕も2011年の東日本大震災があった時に、元陸上選手の為末大さんや、自転車のオリンピックで銀メダリストの長塚智広さんなどと一緒に『アスリートソサエティ』という団体が立ち上がりまして、これまで競技別に何かバラバラに活動していたのを横串をさして活動しようというところから始まりました。
今は日本財団の「HEROs」という、中田英寿さんや、ボクシングの村田諒太さんがいるアスリートの団体ですが、先日は、(岡山県倉敷市)真備のほうに行きました。今回の侍ジャパンのこともそうですけど僕らアスリートがその被災地に行ってできることっていうのは僕らは――つらい記憶を消すことできないんですが、楽しい記憶を上書きしてあげることはできるというか、増やしてあげることができるっていうことがあって、また、それにも役割があって、例えば、侍ジャパンの選手や、中田英寿さんとか村田諒太さんとかのような著名なアスリートが行くと、それだけで会えて喜んでもらえると思うんですけど、僕のことなんか誰も知らないわけですよ(笑)。
なんですけど、知らないなら知らないなりに、やっぱりそのアスリートとの距離を縮めてあげる役割ですとか、その場を盛り上げる役割というのができたりとかするので、とにかく、楽しく笑顔になってもらうという意味では、この偽ジャパン(去年のNPBベースボールフェスタin浪江町 十日市祭に出演のグループ)のアントキの猪木さんとか、僕、友達なんですけど、間違いなく楽しかっただろうなって。今週末、福島の人たちが年に一度戻ってきて、すごい楽しい思い出を作ると思うんで素晴らしい活動だと思いますね。
――実は、私も、福島でアナウンサーとして3年、野球取材も10年以上続けていて、「ベースボールフェスタ」に何年も携わらせていただいているんですけど、終わった後、みんなで言うのが逆に元気をもらったねって。なんか、目の前のことに一生懸命頑張っていらっしゃる姿や本当に笑顔をたくさん見せてくださって、それを見た参加した選手たちも来シーズン、絶対、自分たちが結果を出さなきゃいけない、元気もらったって言うんですよね。
やっぱり、そういうところで頑張ってる方がいると、まあ仲間になるっていうのがとっても大事なことで、「つながれる」っていうのは、素晴らしい復興支援だと思いますね。
■東俊介氏プロフィル
元ハンドボール日本代表でキャプテンを務めた。現在はスポーツ事業を中心に、複数の会社で活動している。実業団時代は9度の日本一に輝き、アテネ五輪アジア予選など数々の国際大会に出場した。現役引退後はスポーツマネジメントを学び、日本ハンドボールリーグのマーケティング部新設に尽力、初代部長に就任。また、アスリートのライフキャリアを支援するため、スポーツとビジネスをつなぐ交流会なども行っている。
【the SOCIAL inputより】