生まれ変わる銀座線・渋谷駅 その役割は?
開業以降約80年ぶりに生まれ変わろうとしている東京メトロ銀座線・渋谷駅の工事現場を後呂有紗アナウンサーが取材した。
今まさに建築中の銀座線・渋谷駅。どういうふうに変わっているのだろうか。さっそく銀座線・渋谷駅がある、地上3階の高さへ。45本のアーチが連なるこの場所が、新しい銀座線・渋谷駅だ。
実は、この大規模工事の背景には、今の銀座線・渋谷駅が抱えるさまざまな問題があった。狭いホームによる混雑や、乗車と降車のホームが違うことによる乗り換えの分かりづらさ。まるで迷路のような駅だった。
東京メトロ改良建設部・西川祐技術課長「今あるホームからM字の屋根の中に130メートル移動します」
こうして移動することで、ホームをより広く確保することができる。
後呂アナ「どこにホームができるんですか?」
西川技術課長「ホームは今、銀座線が走っているこの線路の部分、ど真ん中がホームになります」
乗車と降車のホームを一か所に。また、ホームの幅は12メートルまで広がり、ラッシュ時の混雑を緩和し、乗り換えの経路も分かりやすくなる。ホームの両側にできる線路がすでに敷かれていた。
新しい線路による運行は来年の1月から。銀座線・渋谷駅がまもなく変わる。
では、渋谷の街にとって、銀座線・渋谷駅の役割とは?日本を代表する建築家で、銀座線・渋谷駅のデザインを手がけた内藤廣さんに、特別に話を聞いた。
後呂アナ「渋谷駅はすごく街の中に一体化するような感じになりますよね」
内藤さん「そこが一番面白いところで、メトロってだいたい地下を走っていますよね。でも渋谷駅では空中に飛び出してくるんですよ。それはどうしてかっていうと、渋谷が『谷』地形だから」
後呂アナ「だからその分、浮かび上がってるんですか」
内藤さん「『晴れ舞台』なんだから」
後呂アナ「渋谷駅が『晴れ舞台』?」
内藤さん「だって表に出てくるんだから」
中でも特にこだわったのが、「窓」の部分。ここに渋谷ならではの仕掛けがあった。
内藤さん「プラットホームに立った人と、街を歩く人が、目線がやりとりできるっていうふうにするべきだと、ずっと言っているんです」
後呂アナ「それはどうしてですか?」
内藤さん「電車待っている時って、ちょっとボーッとして、一息つく時じゃないですか。その時に街が見えると、街との親和性というか、距離が近づく。東口、宮益坂方面もどんどん変わってくるはずなんです。駅から街の変わっていく風景もたくさんの人に見てもらいたいし、地下ずっと通ってきてね、渋谷駅が近づいて(地上に)出ると、近未来的な空間があるというのはいいと思います」
後呂アナ「いつ訪れても楽しい駅になりそうですね」